苦手なことは、「嘘をつくこと」「沈黙」
――前回のインタビューでも、取り繕ったコミュニケーションだったり、嘘をついたりはしないと仰っていましたが、それって自分に対しても、周りに対しても、楽な気持ちでいられるようにしているということなのかなと思いました。山﨑さんが、楽な状態でいられるためにやってることはありますか?
取り繕ったり、嘘をついたりしながらコミュニケーションするのも嫌なんですけど、そのわりに実は、沈黙も苦手なんですよ。もしかしたら、人にとって一番楽なことって、黙っていることだと思っている人もいるかもしれないんですけど、僕自身はそれも怖くて。だから、自分が沈黙を避けてついしゃべってしまうのは、そうすることで、自分が一番居やすい状態にしているのかもしれないなって思いました。
それと、写真撮影で、さっきまでシリアスでクールな感じでかっこつけ表情をしてたのに、今度は急に「笑ってください」って言われたりすることもありますよね。そういうとき、自分の状態をちょっとだけふざけた空気にしておくと、急に笑ったりする方向にも持っていきやすかったりするんです。だから、ちょっとふざけた感じに自分をおいているという面はあるかもしれないです。結局、自分勝手なんですかね……。
――そんなことないと思います。確かに、急にクールにって言われたときも、ふざけた空気からだと、方向転換がしやすいかもしれないですね。
自分にとって一番、居心地のいい状態に自分自身を持っていきたいと思うのは、自分自身がキツくなっちゃうと、周りの人もキツくなってしまうんじゃないかなって思っているからかもしれません。
「ついショート動画を見て過ごしてしまう」
――そんな風に、一見、ゆるくふざけた雰囲気を出しながらも、周りのことを考えていると、知らず知らずに気を張っていたということもあるのかなと思います。家に帰って、一人になったときは、どんな風に自分を居心地の良い状態にしていますか?
一人って、自由すぎて逆に楽じゃないときがあるんですよね。自由で、自分の好きなことをなんでもできるからこそ、いざ時間ができると、「今日は何しよう?」って悩んでしまうこともあります。結局、その自由な時間に、携帯でショート動画とかを見て過ごしてしまって……。
だから、ある程度するべきことが決まった状態や、やらないといけないことがある状態って、そう悪いことじゃないんじゃないかって思いますね。もちろん、バランスがとれていることは大前提なんですけど。仕事が多すぎてもいけないけれど、逆に暇すぎてもしんどくなっちゃうし……って考えると、バランスって大事だなって思いますね。
2024.04.20(土)
文=西森路代
写真=平松市聖
ヘアメイク=髙橋幸一(Nestation)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)