ほかの本を探すのだ。

 

 わたしは読者の皆さんにさまざまな本を勧めているが、実は9割しか読了できていない。(古すぎる、長すぎる、あまりにも奇妙であったり退屈であったりしたといった理由で)一割は投げ出しているのだ。いつか自分が放り出してしまった本にもう一度挑戦したい。その前に死んでしまうかもしれないが、急ぐ必要はない。

宿題のように本を読む必要はない

 また、宿題のように本を読む必要はない。読書に疲れていないか? であれば、リヴィングでテレビを観てもいいし、ネットをチェックしてもいいし、ほかの人間とおしゃべりしてもいい。テレビやネットや人間からも、知りたいことがたくさん学べる。

 何か気になる、尊敬する人が勧めているという本があれば、どれも読んでみよう。そのうちの一冊に、あるいは本書に収録した「教養のための必読リスト114冊」に挙げた一冊に惹かれたということがあれば、ほかのことはすべて忘れてその一冊を読み進めよう。すでにこの世にいない著者はみんな自分の作品を手に取ってもらえることをひたすら望んでいる。やっと自分の本が読んでもらえるのだ。

「ディスプレイは広告だらけ」「文明が崩壊しても紙の本は読める」英国人エリートが「本を電子書籍では読まない」理由〉へ続く

英国エリート名門校が教える最高の教養

定価 1,980円(税込)
文藝春秋
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2024.04.17(水)
著者=ジョー・ノーマン