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●日常化するためのアイデアは?

 そこで私は、さらにせっせとポージングをし続けたのですが、そのうちさらにひらめきました。「オードリー・春日の姿勢を真似れば、普段からポージングができるな」と。彼の姿勢は極端に見えますが、猫背の私からすると、胸を開くためのいいお手本。頭の中で彼をイメージすれば、いつでもどこでも胸を開ける……というよりも、肩甲骨を動かす習慣がつく……というよりも、日常生活がすなわち筋トレになるのでは? と、そんなふうに思えたのです。

 そこで、早速実践しました。

 私は、ジムに行った時以外でも、春日をイメージした姿勢(=春日式)を暮らしに取り入れてみたのです。なお、その姿勢でずっといるというのではなく、「思いついたら、『春日式』を行う」というエクササイズ的位置づけです。

 すると、肩甲骨を以前よりも寄せられるようになり、憧れのマシントレーニングを行えるようになっただけでなく、体感として姿勢も良くなったように思えました。

●「春日式」だと姿勢も良くなる

 では、「春日式」がなぜ良いのかを私なりに解説してみましょう。

 そもそも私は肩甲骨が動かないだけでなく、猫背で巻き肩。さらに上半身の筋肉が少ないので、体もなんとなく傾きがちでした。

 ところが「春日式」をイメージして胸を張る(開く)と、肩甲骨が寄せられると同時に(下図①)、お尻にキュッと力が入り(下図②)、内ももに力が入る上(下図③)、足をしっかり踏みしめます(下図④)。さらにこの状態だと反り腰になるので、反り腰を避けるために腹筋にも力が入り(下図⑤)、猫背でうつむきがちだった顔が、そのままでは下向きになって前が見えなくなってしまうので、自然とあごをあげ(下図⑥)、正面を見ようとして眼筋にも力が入るのです(下図⑦)。

 つまり、私のような猫背人間は、「春日式」姿勢を意識すると途端に胸が開きやすくなり、肩甲骨を寄せられるようになるというだけでなく、全身の筋肉を使うスイッチが入るのだと体感しました。そしてその結果、姿勢も(自分なりに)良くなった気がしたのです。

 さらにあります。

 ボディビルのポージングや「春日式」を行うと、体が自然と立体的になるのです!

 これには驚かされました。

 というのも、私は昔から、「玩具のトランプに似ている」と言われ続けてきているのですが、そのココロは「体が薄い」(悲……)。そして薄いわりに肩幅は広いので、前から見ると幅があり、横から見ると薄い「紙」状。この体形を自分では、「骨格のせいだ」と思っていましたし、人にもそう言い続けてきました。が、「春日式」を取り入れてからは、「体の筋肉をちゃんと使っていなかったせいかも?」と思うようになりました。

 つまり、折り紙と同じなのですよ。

 私は体を「開いた状態」で常に使ってきていたので、体が薄く見えてしまうだけで、本来の使い方をして筋肉をきちんと動かすように暮らせば(=折れば)、「それなりの厚さ」のあるメリハリ体形に近づけるかもしれないのです。そして助けになるのが「春日式」……だと思えたのですが、実際にこのアイデアが理に叶っているのかを確認するためにプロに見てもらってきました。

2024.04.07(日)
文・写真=にらさわあきこ