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 ロングラン公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でスコーピウス・マルフォイ役で注目を集めている西野 遼さん。初舞台ながら堂々とした演技と役への深度から「はまり役!」、「心に残る演技」と観客から絶賛を受けている。

 『ハリー・ポッターと呪いの子』は、言わずと知れた世界的人気作品『ハリー・ポッター』シリーズの原作者・J.K.ローリングがジョン・ティファニー(演出家)、ジャック・ソーン(脚本家)とともに創作したオリジナル・ストーリー。主人公のハリー、ロン、ハーマイオニーが魔法界を救ってから19年後の世界が描かれている。

 世界中で大絶賛を受けたこの舞台の日本版は、2022年7月から上演がスタート。西野さんは2023年8月から新キャストとして登場している。初舞台とは思えない堂々たる演技を見せる西野さんに、出演中の現在の心境、意気込みを聞いた。

はじめはバシバシに緊張してました(笑)

――西野さんの俳優デビューは2020年。わずか2年後の2022年に『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演と活躍目覚ましいです。出演するにあたり、プレッシャーはありましたか?

 もうバシバシに(笑)。もともと、どんな作品でも緊張を感じてしまうタイプなんです。

 スコーピウスはとても人気のあるキャラクターですし、これまでも演じられた方がいらっしゃるので、自分がやることでスコーピウスのイメージを崩してしまわないか、こんな重要な役柄が自分に務まるのか……とはじめは不安でした。

 だからとにかく全力で、必死に舞台に向き合おうと。もう無我夢中というか。自分の演技が本当にこれで合っているのか、ちゃんとお客様に届いているのか、言葉のニュアンスが伝わっているか等々、あげればきりがないほど心配はありましたが、まずは演じ切ることだけを考えるようにしていました。

――初舞台から半年あまり。今の西野さんを見ているとそんな時もあったのかと驚きます。

 今でももちろん責任が大きさは噛みしめていますが、全力で取り組んできたおかげで、役については解釈が深まっていますし、「ここはこういうふうにやろう」と自分の中で自信を持ってお届けできているかなと思います!

――当初抱えていた「イメージを崩してしまうかも」という気持ちも、今はありませんか? 

 はい。あまり考えすぎても仕方がないかなと。自分の思うスコーピウスを作り上げていくしかないですから。今はファンの皆さんに「僕のスコーピウスが好き」と言っていただけるよう舞台に臨んでいます!

2024.03.30(土)
取材、文=赤山恭子
写真=鈴木七絵
ヘアメイク=赤塚修二
スタイリスト=永田哲也