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優しい郷土の味「取り回し鉢」

◆村のホテル 住吉屋

 もうもうと湯気が立ち込める麻釜のすぐ下で明治2年から歴史を刻む温泉宿。版画や骨董が並ぶ館内、湯宿の風情漂う客室、自家源泉掛け流しの名湯とその魅力は尽きない。

 中でも常連客のお目当てはこの地に伝わる祝膳料理「取り回し鉢」だ。大鉢や大皿に盛った料理を取り回し、好きなものを取り分けて食すもので、女将の次男が料理長として腕をふるう会席料理とともに供される。

 ゼンマイやキクラゲといった山菜料理の他、ジャガイモを使った「いもなます」などの珍しい鉢も並び、田舎の親戚の家を訪れたような優しく懐かしい味わいを楽しませてくれる。

村のホテル 住吉屋

所在地 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8713
電話番号 0269-85-2005
料金 22,000円~(1室2名利用、2食付き)
チェックイン 13:00/チェックアウト 11:00
客室数 11
https://sumiyosiya.co.jp

野沢温泉村

アクセス 最寄り駅はJR北陸新幹線 飯山駅。飯山駅からは直通バス「野沢温泉ライナー」で約25分 600円。
車は上信越自動車道豊田飯山ICから国道117号で約30分。村内はコンパクトにまとまっており、ほとんどの場所まで徒歩で移動できるのも魅力。

次の話を読むすべてが天然温泉100%のかけ流し 13か所の外湯が訪れた人を歓待する 野沢温泉村のリトリートスポット3選
自然に身を委ねる旅
ウェルビーイングヴィレッジ 野沢温泉村

2024.03.28(木)
文=張替裕子(Giraffe)
写真=榎本麻美
取材協力=長野県観光機構

CREA 2024年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

行かなくちゃ、台湾

CREA 2024年春号

行かなくちゃ、台湾

定価980円

名物をしみじみ味わって、のんびりと街歩きしたい台湾は、少し見ぬ間に懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化していました。次の旅は台北から足を延ばして、嘉義、台中、大渓など地方へも。行かなくちゃ!台湾へ。