この記事の連載
- 坂東龍汰インタビュー #1
- 坂東龍汰インタビュー #2
舞台は「これほど難しいものなのか」
――稽古に入る前にワークショップがあったそうですね。
半年くらい前にやりました。その時に横山さん、瀬戸山さんとキャストが全員集合しました。(正名)僕蔵さんと綱(啓永)くん以外は初めてお会いするので、結構ドキドキしながら行きました。横山さんの過去の戯曲を使って、二人ずつ、いろんな組み合わせで読んでみたのですが、みなさん本当に面白いんですよ!
同じ台本でも、綱くんと僕がやっても全然なのに、僕蔵さんと相島(一之)さんがやるとこんなに面白くなるのか! と。セリフをまだ言う前、お二人が立っていらっしゃるだけでも笑いが起きていました。あれはどういうパワーなのでしょう?(笑)
——綱さんと坂東さん以外は、近藤公園さん、正名僕蔵さん、新納慎也さん、相島一之さんと舞台のベテランの方々ばかりですね。
みなさんすごく優しくて、男子校みたいな空気もありました。大先輩なのに、同じ目線で一緒にお芝居してくださる感じで、迷ったり困った時には相談できそうとホッとしました。
今回、横山さんは当て書きされるそうなので、ワークショップの時にも気負うことなく、ありのままの自分で会話してました。あの時の僕らを見て、どんなふうに台本が仕上がるのか楽しみです。自分では気づけない部分も役を通して気付かされることがあるのかなと、ちょっと怖さも感じながら(笑)、楽しみにしています。
――初舞台の時のお稽古はいかがでした? 岩松 了さんの演出は、1000本ノックのようだという噂も聞きますが。
1,000本ノックはもちろん大変でしたけど、僕は楽しかったです。まだ何者でもない若者が集められていて、お芝居をする若者たちの物語で役名もそのままでした。現実とリンクして見えるところもあって、ヒリヒリした場面もありましたけど(笑)。その時に共演したミュージシャンでもある山岸健太は今でも親友ですし、あの舞台に出演できて本当に良かったなと思います。
――映像と舞台の違いは感じましたか?
まだ1回しか出ていないので、舞台については僕は何も語れませんが、映像の仕事ではセリフを覚えてあらかじめ準備をして撮影に行きます。今回のワークショップで感じたのは、台本を持ちながらセリフを読むとなると、相手を見たり動きをつける余裕が無くなって、これほど難しいものかと改めて思いました。
ただ、舞台は密に稽古ができて、同じシーンを繰り返すことでブラッシュアップできますから、それも素敵な時間だなと改めて思いますね。
2024.02.09(金)
文=黒瀬朋子
撮影=橋本 篤
ヘアメイク=OLTA 後藤泰
スタイリスト=李靖華