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 2月14日のバレンタインデーに向け、ホテルやチョコレートブランドから渾身のチョコレートが続々と発表されています。希少なカカオを使ったものや、SDGsを意識した地球にやさしいアイテムなど、今年は特にバリエーション豊かなチョコレートがずらり!

 大切な人やお友だち、もちろん自分へのご褒美にも。ひと口で幸福感に満たされる2024年のバレンタインチョコレートをご紹介しましょう。


アートのような美しいチョコレートを贈る

 都心でありながら緑豊かな庭園や、建築に日本美を感じる「ホテル雅叙園東京」。PATISSERIE「栞杏1928」には、ペストリー料理長の生野剛哉氏が、丹精込めて仕上げていくアートのようなチョコレート、スイーツが揃います。

◆JAPON

 2024年のコレクション「JAPON」は、日本が世界に誇る食材の味わいをショコラに閉じ込め、カカオとの抜群の相性を表現した、まさにこちらでしか出合えない味です。

 ザクザクとした小気味よい食感のベースと、なめらかなガナッシュの2層構造からなる新作は、まるでプチガトー。日本酒には黒豆を、焦がし醤油にはあられを合わせるなど、ひと口ごとに味覚の発見があり、カカオを知り尽くしたシェフだからこその発想で日本の美味を表現しています。

・紫蘇

 扇の形をしたビターなチョコレートのコーティングの中には、紫蘇が香るなめらかなビターガナッシュ。生クリームにフレッシュな大葉をちぎって加えて弱火で煮だしたものをその中に加えています。青紫蘇ならではの清々しい余韻が響きます。

・玉露

 中にはホワイトチョコレートを若々しい萌黄色に染めた玉露のガナッシュ。生クリームに玉露を加えて抽出し、玉露の茶葉を刻んでペースト状にしたものも加えています。なめらかな口どけの中に玉露が持つ、軽い渋みと青々とした香りが広がります。
 

・焦がし醤油

 土台は、醤油と上白糖を煮詰めた香ばしいキャラメルに、お米のパフを加えてあられにしたものを砕き、アーモンドのプラリネも合わせたミルクチョコレート。醬油とリンゴジュースを加えたなめらかなガナッシュの二層構造です。ザクザクとしたあられと、みたらし団子のような甘じょっぱいショコラのハーモニーが斬新です。

・日本酒&黒豆

 ローストした黒豆を砕いたものとミルクチョコレートを合わせた土台は、噛みしめるほどに香ばしく、豆の旨味を感じます。ホワイトチョコレートベースのガナッシュには抹茶と日本酒、酒粕を加えており、抹茶のほろ苦さのあとには日本酒の芳醇な香りが続きます。

・柚子&プラリネ

 フレッシュな柚子の皮をシロップ漬けにし、乾燥させて砕いて作ったロイヤルティーヌと、ヘーゼルナッツのヌガーを合わせてプラリネに仕上げています。この手間暇かけたプラリネからは、噛みしめるほどにナチュラルでフレッシュな柚子の香りが。柚子が香るなめらかなビターチョコレートのガナッシュとの二層構造。

2024.02.08(木)
文=下井美奈子