◆宮城県
気仙沼市の気嵐
「氣嵐(けあらし)」とは、陸地の寒気が海に移動して海水面の水蒸気を冷やすことによって発生する自然現象。
複雑な地形をしたリアス式海岸にある気仙沼湾は、入り江が深く波が穏やかなことから、氣嵐が発生しやすい絶好の環境が整っている。海上に氣嵐が立ち上り、幻想的な雲海の中を大きな船が行き交うシーンは神々しいほど美しく、寒さや眠気さえも忘れる最高のご褒美体験に。
気嵐は例年、10月中旬~1月下旬の日の出時刻から約1時間くらいの時間帯に発生する。おすすめの見学場所は、気仙沼湾が一望できる「安波山 駐車場」や、「海岸通り岸壁」、「魚市場市場屋上駐車場」など。
気仙沼市の気嵐(けせんぬましのけあらし)
所在地 宮城県気仙沼市
https://kesennuma-kanko.jp/kearashi
◆秋田県
横手のかまくら
横手のかまくらは、およそ450年続いている小正月行事の伝統行事。「かまくら」は本来、家内安全・商売繁盛・五穀豊穣などを祈願するために、かまくらの中に入って水神様にお祈りするものとされている。横手のかまくらも、水神様が祀られていて、子どもたちがかまくらの中に入り、火鉢で餅を焼いたり、道行く人に甘酒を振る舞ったりするのが恒例となっている。(※2023年は甘酒や餅のふるまいなどはなし)
日が落ちると、かまくら内の明かりが暗闇を明るく照らし、横手ならではの光景が創られる。その特徴的な光景は日本夜景遺産にも認定されるほど。かまくらひとつひとつに明かりが灯される姿は、まるで幻想の世界に迷い込んだかのよう。一見の価値ありだ。
開催期間:2024年2月15日(木)、16日(金)
横手のかまくら (よこてのかまくら)
所在地 横手市役所本庁舎前・横手公園 その他市内一円
https://www.yokotekamakura.com/event/3-5/
◆山形県
樹氷ライトアップ
実は樹氷は世界的にも珍しい自然現象。日本以外では、ドイツなど限られた地域でしか観測できず、日本は世界でも有数の樹氷大国なのだ。中でも有名なのが、蔵王の樹氷。
対馬暖流からたくさんの水蒸気を得たシベリアからの北西の季節風が雪雲をつくり、蔵王連峰へと冷たい水の粒を運ぶ。その過冷却された水滴が針葉樹の枝や葉にぶつかり着氷していくことで、徐々に徐々に大きな樹氷へと成長するのだ。
最盛期を迎えるのは年末から2月にかけての真冬の時期。この期間は蔵王の樹氷をライトアップで鑑賞することができる。色彩豊かな照明でライトアップされた樹氷の姿は、日中の白銀に輝く趣きとは異なり、まるで幻想の世界に迷い込んだよう。ナイトクルーザー号に乗車し、間近で鑑賞することも可能。その景観は、星瞬く夜空を超えて、幻想的な光の美術館へと誘う。日本夜景遺産にも認定されている。
開催期間:2023年12月23日(土)~2024年2月25日(日)のうち限定36日間
樹氷ライトアップ(じゅひょうライトアップ)
所在地 山形市蔵王温泉229-3
https://yamagatakanko.com/attractions/detail_2960.html
◆福島県
大内宿雪まつり
下郷町にある大内宿は、会津若松市と日光今市を結ぶ重要な道の江戸時代の宿場町。現在でも茅葺屋根の民家が道路の両側に立ち並び、古き良き日本の原風景が広がっている。
この大内宿で毎年2月に開催されるのが「大内宿雪まつり」。街道沿いには住民たちの手作りの雪燈籠、かまくらがいくつも置かれ、その光景は勇壮にして、幽玄。江戸時代の宿場にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえる。
時代風俗仮装大会やよさこい、そば食い競争など数多くのイベントも見物のひとつ。夜には壮麗な花火が打ち上がり、静かな大内宿を華やかに照らしていく。
開催期間:例年2月の第2土曜・日曜
大内宿雪まつり(おおうちじゅくゆきまつり)
所在地 福島県南会津郡下郷町大内
https://aizumonogatari.com/event/145.html
今こそ行きたい!
「日本にしかない風景」再発見
2023.12.27(水)
文=桐生奈奈子
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