冷たく乾いた木枯らしが吹き、日本に冬がやってきました。自然の美しさと厳しさをひときわ感じる季節です。

 凍てつく寒さが生む景色や、澄んだ空気に映えるイルミネーション……日本各地の冬ならではの絶景・風物詩を集めました。

 暖かくして、今しか見られない冬景色に会いにいってみませんか? 今回は、宮城県が誇る冬の絶景・風物詩をピックアップ。日本の各地に息を呑むような素晴らしい景色が広がっています。これからの旅の参考にどうぞ!

» #01 気仙沼市の気嵐
» #02 伊豆沼の渡鳥
» #03 阿武隈ライン舟下り「こたつ舟」
» #04 どんと祭り
» #05 Shibata Fantasy Illumination 2023
» #06 蔵王の樹氷
» #07 青根温泉雪あかり
» #08 定義如来 西方寺
» #09 鳳鳴四十八滝
» #10 冬のイルミネーションinみちのく公園

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆気仙沼市の気嵐

 「氣嵐(けあらし)」とは、陸地の寒気が海に移動して海水面の水蒸気を冷やすことによって発生する自然現象。

 複雑な地形をしたリアス式海岸にある気仙沼湾は、入り江が深く波が穏やかなことから、氣嵐が発生しやすい絶好の環境が整っている。海上に氣嵐が立ち上り、幻想的な雲海の中を大きな船が行き交うシーンは神々しいほど美しく、寒さや眠気さえも忘れる最高のご褒美体験に。

 気嵐は例年、10月中旬~1月下旬の日の出時刻から約1時間くらいの時間帯に発生する。おすすめの見学場所は、気仙沼湾が一望できる「安波山 駐車場」や、「海岸通り岸壁」、「魚市場市場屋上駐車場」など。

気仙沼市の気嵐(けせんぬましのけあらし)

所在地 宮城県気仙沼市
https://kesennuma-kanko.jp/kearashi

◆伊豆沼の渡鳥

 伊豆沼は、東北地方の宮城県登米市と栗原市にまたがる、面積369ヘクタールの広大な沼。夏には一面にハスが咲き、秋、冬にはロシアからやってくる渡り鳥の越冬地として有名で、マガンをはじめ、ヒシクイ、オオハクチョウ、マガモなどさまざまな渡り鳥を観察できる。

 毎朝、日の出とともに、約10万羽が一斉に飛び立つと、隣の人の話し声も聞こえないほどの大合唱に包まれる。空を埋め尽くすほどの迫力満点な野鳥たちの姿に誰もが心を奪われるはず。

伊豆沼の渡鳥(いずぬまのわたりどり)

所在地 宮城県 伊豆沼
https://www.miyagi-kankou.or.jp/theme/detail.php?id=17641

2023.12.23(土)
文=桐生奈奈子