2005年に公開され、その独創的な世界観から話題を呼んだ『チャーリーとチョコレート工場』。ティム・バートン監督とジョニー・デップがタッグを組んだことも評判となり、日本でも興行収入が50億円を超える大ヒットを記録した。
変人とも称されるウィリー・ウォンカがいかにして「チョコの魔術師」と呼ばれるようになり、あの夢のような工場をつくるに至ったのか、そんな前日譚を描いたのが本作『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』だ。
若き日のウィリー・ウォンカを演じるのはティモシー・シャラメ
本作の一番の見どころは何といっても主人公ウィリー・ウォンカを演じるティモシー・シャラメ。
『君の名前で僕を呼んで』(2017)で弱冠21歳にしてアカデミー賞、ゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートしたティモシーはその後も話題作に続々出演。名だたる監督たちからも引っ張りだこの彼が、本作では繊細な演技はもちろん、美しい歌声とダンスも披露。ワクワクとときめきがとまらない夢の世界で躍動しているのだ。
最高のファンタジー作品というだけでなく、丁寧に描かれた作品世界も秀逸。「ハリー・ポッター」シリーズのデイビット・ヘイマンがプロデュ―サー、「パディントン」シリーズのポール・キングが監督・脚本を務めたというから納得だ。さらには、ヒュー・グラントがウンパルンパを演じるなど、脇を固める俳優陣も豪華。
ファンタジーの世界にどっぷり浸かれる12月にふさわしい大作となっている。
2023.12.10(日)
文=CREA編集部