この記事の連載
- 菜々緒『怪物の木こり』インタビュー #1
- 菜々緒『怪物の木こり』インタビュー #2
対面で芝居した時に体が震える感覚があった
──亀梨さんとは、これまで何度かご共演されています。今回またご一緒されるにあたり、安心感のようなものはありましたか?
そうですね。亀梨さんには「この人とご一緒させていただけるんだったら絶対に大丈夫」っていう安心感があるので、今回もご一緒させていただいて、すごく居心地は良かったです。現場も三池監督も、そして亀梨さんもすごく穏やかで和やかに現場にいてくれる方たちで、セットチェンジの待ちの時などには優しく声をかけてくださるのに、撮影に入ると豹変するそのギャップがすごくて……。今回はそこに少し怖さも感じたほどでした。とくに亀梨さんは、役に入った時の雰囲気が、私が原作を読んだ時の彰そのものだったので、対面で芝居した時に体が震える感覚があったのを今でも覚えています。
──今作のような一触即発のサスペンスミステリーだと、撮影現場での雰囲気もヒリついたイメージなのでしょうか。キャストの皆さんで和気藹々というよりは、おひとりおひとりが自分の役に集中して撮影が進むというような……?
そんなことはなかったです。私の中では三池組はいつも和気藹々としているイメージがあるんですけど、今作でもそれは変わらなかったですね。でも、現場の雰囲気は和やかなのに、「撮影始まります」って本番の声がかかった瞬間に空気が変わるんです。ピリッとした感じが出るのは、さすがだなと思いました。
オンの時は作品の世界にしっかり入り込みながらも、オフのときにはコミュニケーションを取るという、オンオフの切り替えがうまい方が集まったのかもしれませんが、それも三池組の特徴かなと思っています。
──ますます作品が楽しみです。菜々緒さんが思う、映画の見どころについても教えてください。
サイコパスの映画やドラマは世の中にたくさんあると思いますが、『怪物の木こり』は、サイコパスに、連続殺人鬼、そして警察が加わり、追う者と追われる者が入れ替わりながら物語が進んでいくところが、最大の面白さになっています。
ストーリーとしても面白いと思いますし、ある事件がきっかけとなってサイコパスの心情が変わっていくところなどは、これまでに見たことのない新しいサイコパス映画じゃないかと感じています。
あとは、今回会話劇がすごく多いので、キャストたちの芝居合戦みたいな部分でも楽しんでいただけると思います。そんなところもぜひ見ていただけたら嬉しいです。
» 【後篇】に続く
菜々緒(ななお)
1988年10月28日生まれ、埼玉県出身。近年の代表作は、2017年『銀魂』、2019年『マスカレード・ホテル』、2020年『ヲタクに恋は難しい』、2021年『地獄の花園』『土竜の唄 FINAL』、2022年『七人の秘書 THE MOVIE』、2023年『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』など。
映画『怪物の木こり』
12月1日(金)全国ロードショー
絵本『怪物の木こり』の怪物の仮面を被り、斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件。次のターゲットに選ばれたのは、弁護士・二宮彰。しかし彼は、犯人をも凌駕するほどの冷血非情なサイコパスだった! 警視庁の天才プロファイラー戸城、二宮の婚約者の映美、二宮の協力者であるサイコパス外科医・杉谷、過去の殺人事件の容疑者・剣持ほか、様々な人物の思惑が複雑に絡み合い、捜査は混迷を極めていく。犯人はなぜ脳を奪うのか。そして、なぜ二宮が狙われるのか。事件の謎を解き、犯人の正体を暴かなければ殺される......。極限状況に追い込まれた二宮の逆襲が始まる。狩るか狩られるか―狂ってる方が、生き残る!?
出演:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童
監督:三池崇史
音楽:遠藤浩二
原作:「怪物の木こり」倉井眉介(宝島社文庫)
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
https://wwws.warnerbros.co.jp/kaibutsunokikorijp/
2023.11.29(水)
取材・文=相澤洋美
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=浦上祐子(アーツ)
スタイリスト=金順華