趣きのある館内をそぞろ歩くのも楽しい

 外観のみならず、内観も趣深い。特に階段や廊下といった共用部では、梁や腰板張りなどが、当時の様式を保ちながら改装されており、ラグジュアリーホテルとしての格式を持ちながらどこかほっこりとする装飾が施されている。

 客室内をはじめ、ホテル内にはエントランスや朝食レストラン、ガーデン、プライベートバスなど各所にアート作品が展示されている。その多くは京都にゆかりのある作家の作品だ。

 あちらこちらにアート作品が展示されている様子は、図画工作や授業での生徒の作品が置かれていたことを想起させるようだ。

 ゲストラウンジに隣接している音楽室を改装したアーカイブコーナーには当時の小学校時代を学ぶことのできる資料も置かれている。京都の街を見守ってきた往時に思いを馳せるのも感慨深い。

2023.11.12(日)
文・写真=CREA編集部