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 空前の「埼玉ブーム」を巻き起こした映画『翔んで埼玉』の続編、『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』で、関西を牛耳る冷酷無慈悲な大阪府知事・嘉祥寺(かしょうじ)晃を演じた、歌舞伎俳優の片岡愛之助さん。

 作品の見どころや撮影秘話をお聞きしました。


父も『パタリロ!』の大ファンだった

──今作では、関西を牛耳る“ドン”として大阪府知事・嘉祥寺(かしょうじ)晃の役を演じておられます。オファーを受けた時は、どのようなお気持ちでしたか?

 まずは、大好きな魔夜峰央(まやみねお)先生の作品に関われるというのが嬉しかったです。

 亡くなった父の片岡秀太郎が、魔夜峰央先生の代表作でもある『パタリロ!』の大ファンだったんです。父に「これは面白い」とすすめてもらって僕も読み始め、親子ですっかり『パタリロ!』にハマっていました。だからもちろん、前作の『翔んで埼玉』も観ていましたし、あの大好きな作品に参加できるということがとても嬉しくてありがたかったですね。

──魔夜峰央先生の作品には、独特の世界観がありますよね。

 そうですね。でも白塗りのメイクをして普段とは違う世界を演じる歌舞伎の世界とも相通じる部分がたくさんあったので、僕には親近感がありました。

 ただ、主演のGACKTさん、二階堂ふみさんをはじめ、キャストのみなさんがこの上なく美しい方ばかりじゃないですか。前作に出演の京本政樹さんもこの上なく美しかったですし、ビジュアルが強烈なのにまったく違和感がなくて、歌劇団みたいだな、とは思っていたので、そんな世界に自分がなじめるのか、そこは不安でした。

2023.11.21(火)
文=相澤洋美
写真=橋本篤
メイク=青木満寿子
ヘア=川田舞
スタイリング=九(Yolken)