〈東京駅から「はやぶさ」で1時間半…“杜の都のターミナル”「仙台」には何がある?〉から続く
東北・仙台では知らない人はいないという曲がある。「ヤンヤンヤヤーン 八木山の ベニーランドででっかい夢が——」。
仙台市街地を西から見下ろす八木山の一角にある昔ながらの遊園地、八木山ベニーランドのテーマソングだ。ベニーランドの園内で流れているのはもちろんのこと、テレビコマーシャルでも流れているから、仙台で生まれ育った人はこの曲のメロディが耳に残って離れない、のだとか。
プロ野球の試合で流れるメロディ「ああ、ベニーランドか」
「このテーマソングは、ベニーランドの『ベ』をかたどったベニーマークとともに、1968年の開園当時からまったく変わらずに使い続けているものなんです。東北の人は、きっとみなさん歌えるんじゃないでしょうか」
こう話してくれたのは、八木山ベニーランドの八木充幸園長だ。
筆者は東北の人ではないのでほとんど耳にしたことはなかったが、この記事を書くために何度も聴いたおかげでヤンヤンヤヤーンが頭の中でヘビーローテーション。それだけ耳に残りやすいメロディということなのだろう。最近では、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの応援歌としても使われて、東北外に暮らしている人の耳に届く機会もある。
「交流戦で楽天が東京ドームで巨人戦とかやるでしょう。そのときにこのメロディが流れて、『ああ、ベニーランドか、懐かしいな』と思う東北出身の人もいるみたいです。それだけ皆さんの心に残っているんですから、開園以来ずっと変えずにやってきて良かったなあと思いますね」(八木園長)
テーマソングを歌っているのはかつて“CMソングの女王”として名を馳せた歌手の天地総子さん。『おもちゃのチャチャチャ』などを手がけた越部信義さんが作曲している。
「はっきりした記録はないんですが、当時東京の代理店が地方の企業のCMソングをまとめて制作・録音したもののひとつだったようです。ほとんどもう使うのをやめていて、いまでも流れているのはベニーランドとほかわずかだとか。
2023.09.30(土)
文=鼠入 昌史