なので、歌っていただいた天地総子さんもずっとベニーランドに来られたことはありませんでした。2007年に初めて来園して頂いて、ご自身の歌声がこうして東北の人に愛されていることは感無量だとおっしゃっていました」(八木園長)
そんなわけで、すっかり東北人の心のメロディになっている八木山ベニーランドのテーマソング。もちろんテーマソングだけでなく、八木山ベニーランドそのものも東北地方最大級の遊園地として大きな存在感を持っている。
仙台から地下鉄で終点まで…“ヤンヤンヤヤーン”の「ベニーランド」には何がある?
仙台駅からベニーランドまでは、市営地下鉄東西線に乗って終点の八木山動物公園駅へ。そこから動物園の前を通って5分ほど歩くと、ベニーランドのゲートが見えてくる。
園内はすり鉢状になっていて、ゲートをくぐると階段を下りてまずはメリーゴーランド。そのままコーヒーカップやら海賊船やらの定番アトラクションが並ぶ。ジェットコースターもコークスクリューや八木山サイクロンなど4種類が揃っている。
「去年の11月までは、開園以来走り続けてきた東北地方最古のジェットコースターがあったんです。さすがに老朽化ということで引退しましたが、変わりにミニサイクロンというジェットコースターが入っています。ほかに、テレビ番組で“日本一遅い”と認定されたエアロ5というコースターもあります」(八木園長)
ミニサイクロンやコークスクリューは、2020年に閉園した東京・練馬区のとしまえんで使っていた車両を導入しているのだとか。また、観覧車の隣にあるメガダンスも、2002年にとしまえんから移設したものだ。そのため、懐かしさを求めて訪れるとしまえんのファンもいるのだとか。
そしてゲートからいちばん遠い、園内の最後部にそびえているのが観覧車。今も昔も、遠くから見える観覧車は遊園地のシンボルだ。ベニーランドの観覧車は、高さ約35m。そう聞くと、ちょっと小さいような気がするが……。
2023.09.30(土)
文=鼠入 昌史