〈「専業主婦は3食昼寝つきとか言ったおバカは誰?」妻が三男出産のため入院…育休中の男性アナウンサーが2人の子どもと過ごした“目が回るような”1日〉から続く
毎日放送(MBS)アナウンサーの西靖さん(51)は、2021年に妻が3人目の子どもを妊娠したとわかったとき「お腹の子が生まれたら、ちょっと仕事を休んだほうがいいかもしれないな」と思ったそうです。
しかし、実際に男性が育休をとるとなると「給料減るの?」「役に立つの?」「周りはどう思う?」「帰ってきたときに会社に居場所ある?」など、戸惑うことばかりだったとか。
ここでは、西さんがそんな育休取得体験を綴った『おそるおそる育休』(ミシマ社)から抜粋して、実際に育休をとってみて西さんが実感した家事育児の大変さについて紹介します。(全2回の1回目/後編を読む)
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本を読む時間くらいはあると思ってた
三男のぞむが生後100日を迎えたわが家です。
100日といえば「お食い初め」です。生後1カ月のお宮参りは、コロナ禍でもあり、やんちゃな長男次男を連れていくのは苦行やろ、ということもあって、お食い初めと合わせてやろうということに。ところがコロナ禍は収まる気配がなく、お食い初めも両家のじぃじ、ばぁばが集まれる状況ではありません。とりあえず、わが家だけで、こぢんまりとした料理屋さんにお願いしてお膳を設えてもらってやることにしました。
というと、いかにも私がいろいろ差配したように聞こえますが、実は私、田舎者のくせにお宮参りもお食い初めも、長男が生まれて初めて知ったという体たらく。それどころか、さかのぼって妊娠中の安産祈願に関わる腹帯、戌の日など、すべてが結婚し、妻が妊娠して初めて知った、というか自分に関わることとして実感したことばかり。お食い初めの御膳には歯固めの石がありますが、長男のときは「なんなん、これ?」という感覚でした。
そんなわけで、3人目の今回も「あ、お宮参りの段取りをしなくては」とか「お食い初めはどこでやろうか」と自分から妻に相談できるような発想はなく、毎度「段取りを組むのはいつも私。儀式とか節目とか親族の集まることは大事だとか言いながら、全然、自分から言い出さないじゃない。どういうつもり?」と妻に叱られます。返す言葉がないとはこのことです。たいへん申し訳ない。でもね、どうでもいいと思っているわけではないのです。あ、お宮参りどないしょ、とふと脳裏をよぎったとしても、寝不足でひぃひぃ言っている妻に「なあ、お宮参りどうする……? いや、いいから寝てて」となるでしょ? と、いちおう言い訳。
2023.09.26(火)
文=西 靖