でも、じっさいに自分が育休を取ってみて、Hくんの言っていたことがどういう意味か理解できたように思います。読書の時間がほしいという願いは、決してささやかではないのだろうと。

いや、マジ家事終わらんな

 育休に入って4日目に、私はツイッターにこう投稿しました。

「いや、マジ家事終わらんな。」

 妻が出産直後でまだ入院していた時期ではありますが、本当に、心から、こう思ったのです。

 朝起きたら食事の用意。起きてきて遊んでいる子どもたちに食べさせ、着替えさせて、自分も着替えて幼稚園に送っていく。家に戻ってキッチンの洗い物、洗濯、自分の昼食を用意して食べて、ふぅ、と一息ついたらもう降園時間。子どもたちを迎えに行きます。子どもは道草を食う天才です。大人の足なら5分の距離を20分くらいかけて歩きます。疲れたら、あるいは機嫌を損ねたら容赦なく抱っこを要求します。

 途中のスーパーでお買い物。晩ご飯のビジョンが固まっていないと、店内をぐるぐる彷徨ようことになり、明後日のぶんまでおやつを買わされることになります。帰ってきた子どもを着替えさせ、おもちゃで遊んだり、公園に行きたいというご要望にお応えしたりしてたら、え? もう晩ご飯の用意の時間? 

 

 慣れない食事づくりは、2歳の次男の「オシッコ!」「ウンチ!」の声でしばしば中断します。ご飯をつくって、一緒に食べて、子どもたちの椅子の下に落ちたご飯粒その他もろもろを拾い集めます。なんでこんなに落ちるのでしょう。

 お風呂に入るぞと声をかけると、もっと遊びたいと言って嫌がり、いったんお風呂に入ると、そろそろ出ようと声をかけても、もっとお風呂で遊びたいとこれまた嫌がる。身体を拭き、皮膚の弱い次男の保湿を済ませたらゴールは近いぞ、と思いきや、パジャマをどちらが先に着せてもらうかでケンカ、どちらが先に歯ブラシに歯磨き粉をつけてもらうかでケンカ。寝る前に読む絵本を選んでも、どちらが先に読んでもらうかで、またケンカ。なんとか読み終えて、ようやく寝室へ。

2023.09.26(火)
文=西 靖