母娘問題、職場の人間関係から、性やお金の悩みまで。OVER THE SUN(ジェーン・スーさん、堀井美香さん)のおふたりをはじめ、みうらじゅんさん、叶姉妹のおふたり、上沼恵美子さんなど様々な方に読者の悩み相談に乗っていただきました。「CREA」2025年夏号の一部を紹介します。

 今回の回答者は、みうらじゅんさんです。

CREA 2025年夏号

『1冊まるごと人生相談』

定価980円

【相談】老いとどう向き合えばいいですか?

【回答】「老いるショック」を乗り越え、残りの人生笑って過ごそう

 白髪交じりの髭を伸ばして「老けづくり」に励み、かっこよく世間からはみ出した「アウト老」を目指しているみうらじゅんさん。

「朝一番の映画館によく行くんですが、席に余裕ありという意味の◎のマークを『最高に面白い作品』に付くマークだと自分を洗脳して観るようにしています。そうやって日常を楽しむのが、アウト老のやり口です」

 「終活」を始める同世代が多い中、世の中から「くだらない」といわれるものを買い集める「集活」を続け、最近新たに大型の倉庫を借りたのだとか。

「終活というのは、リサイクル業者が少しでも新しい状態で買い取るために仕掛けている作戦だと僕は思っています。自分が死んだあと遺族が困るかもしれない……という声もありますが、お釈迦様でもわからなかった未来を勝手に想像してクヨクヨするのは無駄なことです。『過去は終わったこと。未来はわからないこと』と書いて壁に貼っておくことをおすすめします」

 みうらさんのように「今、現在が幸せだ」と無理やり思い込んで暮らすことを心がければ、老いへの不安が減って気持ちが軽くなること間違いなし!

【相談】上司の“アレ”に困ってます

40代後半の上司が、会話中になんでも「あの……ほらアレ! なんだっけ……?」と固有名詞や人名を忘れてしまうのに困っています。老化でしょうか。四六時中クイズを出されているようで「私の知識を試してる?」とストレスです。明日はわが身と思うと辛い。(35歳・女性)

 自分もいつかそうなるというサンプルが身近にいるわけですから、ありがたいことだと思いましょう。きっとあなたの上司は頭に入る記憶の容量がもうパンパンなんです。一度、「どんな思い出が詰まっているんですか?」と、話しかけてみては? 上司も話すことで思い出のデータをあなたに移植して何バイトか軽くすることができ、「ほらアレ」の回数が減るかもしれません。

 人助けが面倒なら、上司の口から「あの……」が出たら、「あのちゃんの話をしているんだ」と思っておけば大丈夫です。

2025.06.11(水)
文=臼井良子
写真=末永裕樹

CREA 2025年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

1冊まるごと人生相談

CREA 2025年夏号

母娘問題、職場の人間関係から、性やお金の悩みまで。
1冊まるごと人生相談

定価980円