6月8日は「世界海洋デー」。海洋を取り巻く環境が年々危機に瀕していることについては、私たちもメディアの情報などを通して知らされている通りだ。
環境保護写真家の草分け的存在でもあり、世界で最もSNSフォロワー数の多い女性カメラマン、クリスティーナ・ミッターマイヤー氏は、30年にわたって自らが撮影した写真を通して海洋の環境保護を強く訴え続けている。「一人ひとりが行動を起こすことで雪崩のような連鎖が起きること」に希望を託し、果敢に行動をし続ける彼女の活動についてご紹介しよう。
世界で最もフォロワー数の多い女性カメラマン

『ナショナルジオグラフィック』のカメラマンとしてキャリアを積んだ環境保護写真家、クリスティーナ・ミッターマイヤー氏。30年あまりにわたって世界130か国を旅し、765種以上の生物、700万点以上の写真を撮影してきた。
今なおヨットで世界中を駆けめぐり、カメラレンズという唯一無二のパートナーを通してそれぞれの場所が抱える現状や環境問題をクローズアップしている。一枚一枚の作品に込められたメッセージは、「世界中の海を取り巻く環境で現実として起きていることについてもっと理解を深めて欲しい」という現場からの切なる声に他ならない。

ミッターマイヤーはメキシコの山間部の小さな町に育ち、海洋生物学者としてキャリアを積んだ。しかし、さらなる夢を実現するべく、現在は“環境保護写真家”として活動している。
そのきっかけを、「人々は科学にあまり興味はないが、感情を揺り動かされる写真というものを見るとおのずと疑問を抱く、ということに気づいた」と語っている。そして、彼女が切り拓いた境地は「環境(自然)保護写真」という新しい言葉を生み出した。
彼女の描きだす作品は見る者に共感を与え、心を揺さぶられずにはいられない不思議な力が宿る。
2025.06.06(金)
文=朝岡久美子
協力=ロレックス