世界一売れた占い本の著者として、テレビや出版界を賑わせた細木数子さん。華やかなイメージとは裏腹に、その素顔は質素で倹約家。モノを大切に使い、家族で旅行に出かけることもなかったといいます。
「地位やお金があっても、家族は買えない」——そう語っていた母の言葉を、娘のかおりさんは今、どのように受け止めているのでしょうか。4月27日(月)から配信される数子さんを描いたNetflixシリーズドラマ「地獄に堕ちるわよ」についても話を伺いました。
派手なイメージとかけ離れた“母らしい”最期
――全盛期の数子さんは、公式占いサイトだけで月に約4億円、その他の収入を合わせると年に70億円以上の収入があったとYouTubeで告白されていました。豪快で華やかな印象がありますが、実際はどんな方でしたか?
たしかに発言は強く、存在感もありましたが、テレビで見ている印象とは、ずいぶん違うと思います。
まず、私たち家族に贅沢な暮らしをさせるということは一切ありませんでした。家族旅行も数回しか行ったことがありませんでしたし、欲しいものを何でも買ってもらえる、というようなこともありません。むしろ「あるもので工夫しなさい」と言われてきました。
孫にもお小遣いをもらうときは、「きちんと帳面をつけなさい」「何に使ったのか報告しなさい」と、かなり細かく言われました。華やかな世界にいる人でしたが、家の中ではとても質素で倹約家でした。
――派手なイメージがありますが……。
むしろ逆です。仕事で得たものは、自分のために使うというより、人や社会のためにどう使うかを常に考えていました。母はお金の価値を知っているからこそ、使い方にはとても厳しかったのだと思います。見せるための豊かさより、守るための堅実さを大事にしていて、「地位も金もあっても、家族は買えない」とよく言っていました。
――細木数子さんの最期は、どのようなご様子だったのでしょうか。
本当に、母らしい最期でした。
前の日に少し熱が出ていたんです。それまでも肺炎などで熱を出すことはありましたから、そのときも“いつものこと”という感覚でした。夜中の1時頃に「大丈夫?」と声をかけたら、「大丈夫だ」と。あれが最後の言葉でした。
朝になって、脈が少し弱いかもしれない、という話になり、家族が自然と集まってきました。私たちは食事一つでも予定を合わせるのが難しいほど忙しいのに、偶然なのか、必然なのか、その朝だけは家族全員が家にいたんです。
母は、病院で管につながれて死ぬのは嫌だと、ずっと言っていました。「何があっても救急車は呼ばないで。家のベッドで、家族に囲まれて眠るように死にたい」と言っていたのですが、望んでいた通りに最期を迎えることができました。
突然のことで悲しみに打ちひしがれましたが、お医者様から「いまは自宅で最期を迎えられる方は本当に少ないので、幸せな最期だった」とおっしゃっていただき、少し気持ちが楽になりました。
