
6月を迎え、今年もやってきた梅雨。年間を通して、最も髪の扱いがうまくいかなくなる時期です。湿気を吸った髪はたちまちうねり出し、およそ1カ月の間、ふだんはなんとかカバーできている髪にまつわるコンプレックスが露呈。誰もが翻弄されます。
そして、それは美容師にとっても同じこと。美容師もそれぞれに髪の悩みを持っていますし、美容師ですら梅雨時の髪トラブルを完璧に攻略できているわけではありません。
しかし、我々美容師は、様々なテクニックを駆使して“翻弄されているように見えない”ようにしています。そこで今回は、梅雨の1カ月を乗り切るために美容師が実際にやっていることを、ご紹介します。
①まずはコテ、アイロンでスタイリング
梅雨時期、特に必須になるのはストレートアイロン。顔周りのうねりだったり、寝グセだったり、気になるポイントを一発で解消する、最優先で取り入れるべきアイテムの一つです。
アイロンをあてても時間と共に湿気を吸ってうねりは出てしまいますが、伸ばしたクセが元通りになる程には戻らないので、断然あてた方がストレスは解消されます。
コテやアイロンが苦手な場合、ブローで髪をスタイリングしている方も多いかと思います。しかし、ブローで作った柔らかい質感のカールは湿気に負けてしまいやすいため、この梅雨の時期には効率のいい手段とは言えません。コテやアイロンの方が効果が大きいので、不慣れでもなるべく手に取ることをオススメします。
②「内巻き」より「外ハネ」の方が、ボリュームダウンできる
湿気を吸うと髪が膨らんでしまう、というお悩みもよく聞きます。ボブ〜鎖骨下ぐらいの長さでボリュームに悩んでいる方は、「外ハネ」にスタイリングするのがオススメです。なぜなら、「内巻きボブ」は膨らみやすいから。
ボブスタイルは、元々丸みが出やすいのが特徴のヘアスタイルです。内巻きの毛先のカールは、「カールの上にまたカール」と毛束が重なることになり、良くも悪くも「横のボリューム感」が出てしまうのです。しかし、これをアイロンで「外ハネ」にスタイリングすることで、Cカールの積み重なりがほとんどなくなるため、「横のボリューム感」を抑えることができます。
「外ハネはあまり好きじゃない」という方も少なくありませんが、ミディアムヘアのボリュームダウンには絶大な効果を発揮しますので、ぜひお試しください。

2025.06.15(日)
文・イラスト=操作イトウ
画像=Aflo