最近よく聞く「酸性ストレート」ってなに?

 SNSで「艶髪ストレートヘア」といった文言や画像、動画と共に、一気に注目度が高まっている「酸性ストレート」。

 近年のストレートスタイルのトレンドもあり、美容室でも群を抜いて需要が伸びています。また「髪質改善」などといった言葉と紐付けて宣伝されているために、興味を抱いている方も多いのではないでしょうか。

 今回は「酸性ストレート」の特徴と、お客さまが注意すべき点について、お話しします。

特徴は、とにかくダメージレスなこと

 酸性ストレートの最大の特徴は、従来の縮毛矯正よりダメージを抑えられることです。縮毛矯正に比べ考えられないほどに負担が少ないため、それを体感してリピーターになる方も増えています。その上、仕上がりが柔らかい質感のストレートヘアになり、手触りもよく、艶々になる効果もあります。つまり、様々な点でアップデートされた「縮毛矯正の上位互換」だといっても過言ではありません。

 「酸性~」という名前は、従来の薬剤が「アルカリ性」を踏まえたものです。難しい理論は割愛しますが、この薬剤は、髪のpHの領域にアプローチしてストレートを実現します。

 誤解を恐れずに言うと、薬剤を効かせる場所がカラーやパーマなどによってダメージが加わる部分とは異なるため、負担が小さくて済むのです。すでにダメージを負った髪にも使用しやすく、ブリーチ毛にも施術ができるほど低刺激です。

 従来の縮毛矯正は髪への負担が大きいため、髪が硬い手触りになりやすい、というデメリットがあります。「施術後、手触りがゴワゴワする」と感じていた方も多いはずです。硬い質感に仕上がるために、毛先がツンツンと針金のような見た目になりやすいのも特徴でした。施術する美容師にとっても、髪への負担が大きいことはセンシティブな問題ですから、従来の縮毛矯正の薬剤を使う場合は、繊細な扱いが必要でした。

 一方で、酸性ストレートの場合は薬剤の安全性も高く、大きな事故に繋がりにくいことも特徴です。

2025.04.05(土)
文=操作イトウ
写真=Aflo