今期も変遷し続けているファッショントレンド。特に、ここ2~3年でのファッショントレンドの変化は大きいと言われています。
お洋服と同様に、ここ数年でヘアスタイルにも大きな変化の波がきています。最新のトレンドの一つが、「レイヤー」を取り入れたスタイルです。
長らく「レイヤーを入れないスタイル」が主流でしたが、それらがマンネリ化してきた反動もあってか、「レイヤー入れることで、毛束が動いて見えるスタイル」が再び魅力的なものとして受け入れられるようになってきているのです。
一方で、レイヤーに対して「毛先がスカスカになる」「髪が膨らむ」とネガティブなイメージがあるのも事実。今回は、どうすればこのトレンドを素敵に取り入れられるか解説したいと思います。
そもそも「レイヤー」って、何?
「レイヤー」とは、髪の毛に「段差を作る」カット技法のことです。同じく段差を作る技法に「グラデーション」が挙げられますが、グラデーションに比べ、レイヤーは落差が大きいのが特徴です。
レイヤーを施した髪は、毛束が毛先に行くにつれて薄くなります。すると毛先の束感が強まり、動きが出て見えるため、華やかな印象になります。
また、上から被さる部分の毛を切ることになるので、毛量を減らすこともできます。
レイヤーを入れると、膨らむ?
レイヤーと聞くと「膨らむからやりたくない」という方が一定数いますが、これは「シャギースタイル」のイメージが強いからかもしれません。
90年代後半~2000年代に一世を風靡したシャギースタイルは、毛先をスカスカに見せるのが特徴のスタイルでした。
この「毛先がスカスカ」を再現するためには、過度なレイヤーと、過度なセニング(すきバサミで切ること)が必要となります。そういった過度なレイヤーやセニングの結果、髪が重さを欠いて、“ウェーブがある髪質”や“多毛”な方ほど髪が膨らむ現象がかつては起きていました。
更に、「毛先がスカスカ」だと髪が膨らむだけでなく、パサパサにもなりやすい。当時は、現在ほどヘアケアの概念も浸透しておらず、髪にダメージが残ったままヘアカラーを繰り返し、パサパサに悩む方も多くいました。
それでも、「シャギースタイル」人気と共にレイヤーやセニングが全国で乱用されたため、髪が膨らんでしまい、大変な思いをした方も多かったはずです。そんな経験をしていれば、レイヤーに対して不信感を抱くのも仕方がないことです。
2023.12.02(土)
文・イラスト=操作イトウ