③前髪は「スプレーの付け方」をひと工夫すると一変

 うねりが特に悪目立ちするのが、顔周りです。とりわけ前髪は、すぐにベスポジからズレてしまうからヘアスプレーで固めておきたい。けれど、スプレーでガッチリさせるのが好みでなかったり、顔にスプレーが吹きかかるのがイヤな方や、スプレー特有の臭いが苦手な方も多いはず。

 そんな方に、美容師がよく使う技があります。それは、コームにスプレーすることです。コームの歯にスプレーを吹きかけて、スプレーが固まらないうちに前髪にクシを通すと、スプレーを程よく髪に付けることができます。この方法を使うと、コームで成形しやすい上、スプレーの付け過ぎも防止できます。

 このテクニックを使う際は必ず、歯が束になっている「ヘアブラシ」ではなく、歯が一列に並んでいる「コーム」を使用しましょう。

④ヘアオイル・バーム の付け方にもひと工夫

 油分がたっぷりのスタイリング剤「ヘアオイル・バーム」は、油分の重さが髪の広がりを抑えてくれて、髪がボリュームダウンしやすいのでオススメです。艶感、濡れ感をプラスできる上に使い勝手がよく、あらゆるスタイルに向いています。

 しかし、ヘアオイルを上手に付けられない方は多いようです。ベタッとした束感が、オシャレというより「髪を洗ってない人」のように見えてしまったり、塗布量が少な過ぎて濡れ感を演出できていなかったりする方も多くお見受けします。

 美容師は、付け方一つにも工夫をしています。まずは、髪の“内側”から付けることが多いです。なぜなら、最初にオイルやバームの付いた手で顔周りや表面を触ると「ベタッとした束感」になってしまうからです。

 内側に付けるためには、ちょうど“後ろで一つ結び”をするような動作で「襟足」「耳上の内側」「毛先」に馴染ませます。その後「表面」、最後に「前髪」に付けると、ベタッとした印象になりにくくなります。

 そして「濡れ感が上手く出ない」という方も多いはず。単純に使う量を増やすことが解決策になることもままありますが、部分的なコツもあります。それは、「こめかみ」「もみあげ」の根元付近にも付けることです。

 オイルは特に、分け目などの「表面の根元」に付けるとベタッとして悪目立ちしますが、「こめかみ」「もみあげ」の根元はしっかりめに付けることで、一気に濡れ感がアップして今っぽく仕上がります。

2025.06.15(日)
文・イラスト=操作イトウ
画像=Aflo