東武東上線大山駅から徒歩3分位ところに「そば切り八代」がオープンしたのは2021年9月。実はこの店、手頃な価格で手打ちそばを提供するワンオペの店として話題になっている。
台風7号が通過した8月中旬、うだるような猛暑の平日の午後1時過ぎにさっそく訪問することにした。
入店するとすぐに店主である伊藤圭介さん(50歳)の「いらっしゃいませ」という穏やかな声が響く。店は確かに店主のワンオペで切り盛りしている。
入口すぐの右手には券売機が
入口すぐの右手には券売機が置いてある。確かに立ち食いそば屋のような雰囲気だ。
冷たいそばは「もりそば」(550円)、冷たい「トロロそば」(700円)、「肉セイロ」(800円)など。
温かいそばは「かけそば」(550円)、「山かけ」(700円)、「カレー南蛮」(850円)など。
天ぷらは「ナス天」(300円)、「舞茸天」(300円)、「揚げ芋」(300円)、「穴子天」(500円)など手頃な値段である。
そばは粗挽きで星のあるタイプ
さっそく券売機で「もりそば」のチケットを買いカウンター席に座ることにした。店内にはお客さんが数名。本日限定の「青さ切り」(800円)を注文している人が多い。そばに相当多く青さを配合しているとのこと。緑色が鮮やかだ。
5分も待たずに「もりそば」が到着した。星(※)が入った粗挽きのそばである。まずそのまま食べてみる。透明感のあるフレッシュなそばは加水がやや高め、コシが丁度よい塩梅である。現在は山形産の玄そばを仕入れている。
※麺の表面に散った、そば殻の小さな黒い粒。
辛汁をひとくち。甘みは少なくキリっとした雑味のない江戸のつゆである。出汁は厚削りの鰹節と昆布を使っているという。華やかな返しの味と相俟って完成された味である。さらしネギと本わさびを少々入れて食べすすめる。あっという間に食べてしまった。
2023.09.05(火)
文=坂崎 仁紀