満員電車で目の前に立つ人の“あの”臭い。また、会社やショッピングモールですれ違った人の“あの”臭い。
今回は、夏の頭皮からする“あの”臭いをなんとかしたい方へ向けた、頭皮ケアのお話です。(全2回の1回目/続きを読む)
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半年ほど前に妻が妊娠中、つわりが酷い中での出勤が続いていた頃、「バスで前の席に座った中年男性の頭の臭いに、吐き気がして大変だった」という話を聞きました。
この臭いはどうすればいいのか? 美容師目線で解説します。
【体臭的な臭い】の原因は皮脂
夏の「頭皮の臭い」は、大きく2つに分けられます。それは「体臭的な臭い」と、「香水的な臭い」です。
中年以降の体臭といえば、「加齢臭」です。特に、頭から発生するものを「ミドル脂臭」と呼びます。
加齢臭は「避けられないもの」だと考えている方が多いかもしれませんが、そうではありません。汗の成分である「ジアセチル」と「皮脂臭(中鎖脂肪酸)」が混ざることで、不快な臭いになります。つまり、毎日のシャンプーで皮脂が洗い流せていないことが原因で、臭いが出てしまうのです。
とはいえ、夏の頭皮の臭いは「中年のミドル脂臭」に限りません。若い方でも、男女問わず臭いものは臭い。これには理由があります。
夏は皮脂が2倍も分泌される!?
夏の頭皮の臭いの原因は、「皮脂」です。頭皮に「古くなった油の臭い」を感じるのは、皮脂が頭皮に長く留まってしまっているからです。
臭いが夏に特に強くなる理由は、夏場に皮脂が多く分泌されるからです。なんと、平常時に比べると2倍も分泌されているそう。
分泌量には個人差がありますが、過剰な皮脂は「臭い」以外にも、かぶれや湿疹の原因になります。そして皮脂は油なので、時間が経つと固まってしまいます。固まった油が頭皮にこびりついてしまうと、毛穴を詰まらせるなど、生えてくる髪の毛に影響を及ぼすこともあります。
皮脂の過剰な分泌は、不摂生が強く影響しています。このことから、中年だけでなく若い人でも臭くなりやすく、頭皮の臭いは「タバコの臭い」と混ざっていることが多いです。
2023.09.03(日)
文=操作イトウ