皮脂は「皮脂腺」から分泌されます。「皮脂腺」は毛を作る組織とセットで存在し、同じ毛穴から開口しているので、必然的に毛穴の多い頭皮から沢山分泌されるようになります。
ですが、この皮脂は「お肌を守るため」に分泌されています。そのため一概に悪者というわけではありません。しかし、それが暑さによって過剰に出てしまうと、いつも通りのケアでは間に合わず、臭い人が激増してしまうのです。
頭の臭いはシャンプーでは落とせない!?
先述したミドル脂臭と同じく、頭の臭いは「きちんと洗えていない」ことが原因の1つです。ですが、そもそも「シャンプーのやり方」は子供の頃に親に教わっている程度で、美容師目線では誰もが正しいやり方で行えているわけではありません。
皮脂が固まってしまうと、日常的なシャンプーでは落としきれなくなることがあります。キッチンのしつこい油汚れが簡単に落とせないように、頭皮の皮脂もまた、しっかりと洗浄しないと落とすことができません。
固まった皮脂を落とすためには、頭皮用のクレンジングオイルが必要になります。「メイク落としのオイル」と同様、「油は油で浮き立たせて落とす」工程が必要になります。
頭皮ケアは、臭くなる前に普段のシャンプーで皮脂を落とすことが重要です。そこで、予防になるシャンプーの仕方についても触れておきましょう。
シャンプーの仕方については以前にも提唱していますが、頭皮ケアにとって特に重要になるポイントは、「頭皮は爪で掻かない」「シャンプーはよく流す」ことです。
頭皮は爪で掻かない
頭皮は爪ではなく、「指の腹」で掻くようにしましょう。「指の腹」は指先より少し下、手のひら側の柔らかい部分です。爪でガシガシとやると、頭皮に傷がつき、炎症を起こします。
同じところばかり掻いてしまいがちですが、頭皮全体をまんべんなく掻くことを意識しましょう。頭皮を指の腹で掴んで、気持ちいいと感じる程度に動かすだけでも効果があります。時間としては、30秒~1分ぐらいで十分です。
〈「エチケットのつもりでも不快感を与えてしまう…」若い世代も要注意…美容師が解説する、みんなが勘違いする“臭い対策”〉へ続く
2023.09.03(日)
文=操作イトウ