(3ページ目)宙組をまとめ上げた立役者・寿つかさ宝塚退団の決意と、これからの道｢品よくユーモアを忘れず生きたい｣

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小池先生からのエールを忘れず、新たな道を模索したい

――これからどのような道を歩んでいこうというプランはありますか？

　先に宝塚を卒業している妹がおりまして。妹は宝塚を卒業して長いので、妹と何か一緒にできたらいいなと漠然と思っていましたが、舞台に立つのはもう少し先になると思っていたんです。そうしたところ、かいちゃん（七海ひろきさんの愛称）から“これからの人生の可能性”をもらったので、まずはそのチャンスにしっかりと挑戦していきたいと思ってます。

　その先にどうなるかというのはまだ分からないのですが、これを経て、次に見えてくるものや繋がっていくものがあると思うので、新しいモノに出会えることができたら柔軟に挑戦していきたいですね。自分に何ができるのだろう、というところに今は立っています。

――寿さんのプライベートについても、ぜひ教えてください。今ハマっているものはありますか？

　私はオンとオフの切り替えが苦手なんです。実は私の家族全員そうなのですが、家でじっくりするよりは、どこかに出かけることでリフレッシュできるタイプ。

　この2カ月くらいは雑用に追われてバタバタしていて、これからの髪型も決めてないですし、スカートを履きたいというのもなくて……（笑）。でも今までできなかったのが“イヤリングをつける”こと。

　宝塚でもイヤーカフスなどはありましたが、大ぶりのイヤリングをつけることに心がときめいています！　どれだけたくさん耳に付けられるかというのを、検証中です（笑）。

――以前、ほかのOGさんを取材したときにも「大ぶりのイヤリングが楽しい」とおっしゃっていました！（笑）

　私が入団したころはスターさんもスカートを履いて歌劇に登場したりしていたんですよ。ファッションが割と自由だったんです。そこから、しっかり「男役」「女役」とファッションが決まっていた時代があり、今はまたジェンダーレスな方向に戻ってきましたね。

　かいちゃんもそうですけど、幅広くファッションを楽しめる風潮はとてもいいですね。私はとにかく今イヤリングに夢中なので（笑）、いろいろと集めてみたいと思います。

――退団作品の『カジノ・ロワイヤル～我が名はボンド～』の中で、寿さんのセリフに「どんなときもユーモアを忘れず、ダンディに」というのがありました。小池修一郎先生から寿さんに送られたセリフかと思いましたが、それはどのように心に残っていらっしゃいますか？

　ちょっと間抜けというか、胡散臭いおじさんを演じたいと思っていたところに、卒業公演であのお役をもらって、とても嬉しかったんです。本読みで初めてセリフを読んだときにこみ上げてくるものがあって……。小池先生は、そういうふうに見てくださったのかなと、とれがとても感動しました。

「これからもダンディな～」という部分はちょっと気恥ずかしいですけど（笑）、「品よくユーモアを忘れずに」というのは、この先の私にも先生がくださったエールなのかなと思います。直接、そうお声をかけていただいたわけではありませんが、すごく素敵な言葉だったので、これからも品よくユーモアを忘れずに生きていきたいと思っています。

　先日、宙組公演『Xcalibur エクスカリバー』を観に行きました。ちょっと偉そうかもしれませんが、それぞれに挑戦してきたものが成長となり、みんなが進んでいる。それぞれまたしっかりと踏み出している姿を見て嬉しくなりました。かいちゃんから新たな一歩を踏み出せる機会を与えていただいたので、私も頑張っていきたいですね！

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寿つかさ（ことぶき・つかさ）

1990年に宝塚歌劇団に入団（76期）。1991年組まわりを経て雪組に配属。ダンスの名手として活躍し、1998年1月1日付で、宙組創設に伴う発足メンバーとして宙組へ組替え。2005年宙組副組長に、2008年5月19日付で宙組組長に就任。2023年6月11日『カジノ・ロワイヤル』東京公演千秋楽をもって、宝塚歌劇団を退団。退団後初の舞台となる七海ひろき初プロデュース作品の舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」で主演を務める。

元宝塚宙組組長・寿つかさ退団後初舞台＆初主演
七海ひろき初プロデュース演劇企画
舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」