焼きたてを頬張りたいフィナンシェとクッキー
さて、そんなうれしい焼きたてを堪能できるのは、まずはフィナンシェ。
シンプルな「フィナンシェ ナチュール」は、アーモンドパウダーだけでなく、少しのヘーゼルナッツのパウダーも加え、コクを出す。ふちがサクサクと香ばしくておいしいこと! 中はしっとりとしてめりはりがまた心地いい。
もうひとつのフィナンシェは、レモンとしょうが入り。レモンのすっきりした風味と皮のほろ苦さ、そしてぴりりとしたしょうががアクセントで、飽きずに食べられる。
フランスのお菓子として意外なのが、アメリカンタイプのクッキー。テーマは「グルマンディーズ(美食家)のためのソフトクッキー」で、大きな1枚にしっかりと焦がしたキャラメルやヘーゼルナッツがゴロゴロ入っている。まるでプチガトーのように上品で計算された世界観を、カジュアルなクッキーで楽しめるのがとても面白く、ファンが増えそうだ。
イートインのお楽しみも忘れずに!
厨房があるからこそ! の、もうひとつの楽しみはイートインだ。店内のスツールと、テラス席のみだけれどデザートメニューを食べることができる。
こちらのミルフィーユはイートイン限定メニューで、焼きたてのパイ生地とクリームを重ね、季節のフルーツのコンフィ(写真はイチゴ)、ヴァニラが香るホワイトチョコレートを添えて。
サクサクと軽やかな食感と香ばしさが身上のパイと、クリームやソースを組み合わせる味わいは、イートインでなければ確かに楽しめない。
イートインではコーヒー類も充実しているが、モクテルにも注目したい。
フレッシュ素材を使った爽やかなドリンクは「ルノートル東京」限定なのだから。
「レモネード」はしょうがをアクセントにした、シンプルで上質、まさにルノートルの哲学を凝縮したような奥深さ。「ストロベリー・キス」はイチゴとパッションフルーツを合わせ、ローズマリーを効かせたモクテルになっている。
2023.08.23(水)
文=CREA編集部