だけど、当時真面目にお付き合いしていた方からプロポーズされたときは、とうとうきちゃった…って思いながら断る理由もないし、特別嬉しいわけではないけど、私は頬骨骨折で入院して心が弱っていたし…。そのときに一応…、一応、婚約指輪を頂いて、「はい…」と。でも、今すぐじゃなくてちょっと様子をみようねって相手には言ったけど、時間が経ってもやっぱり結婚したいってならなかったんです。なんでここで結婚しないといけないのかなって。

(美川)ケンちゃんからも、いつまでも引き伸ばしてると可哀そうだから、きちっとお別れした方がいいわよって言われて。プロポーズされた1年後に指輪も返して、ちゃんとお別れしました。

――そういった経緯を見てきてもなお、旦那さんはプロポーズをされてきたと?

神田 だからみんな、彼は頭いいよねって言ってます。作戦勝ちみたいな。「僕は結婚しなくてもいいんだよ」って言うんです。え?しなくてもいいの?って。「でも、一生そばにいるからね。だから結婚はしなくて大丈夫」って。あ、嬉しいな。彼は結婚したいだろうに、そうやって言ってくれてって。彼は、やり方がまっすぐじゃなくて、なーんか上手いんです。だからプロポーズって気付かなかったし。あとから、実はあのときプロポーズだったんだよ、何回も言ってるんだけどねって言われました。

「結婚式が趣味」で9回も挙げました

――当時「結婚式が趣味」という言葉も話題になりました。結局結婚式はトータルで8回行ったのですか?

神田 9回です。はじめは明治神宮で和装して。あとは、グアム、ハワイ、サイパン、モルディブ、バリ、ケアンズとか。

――当初から何回かやる予定でしたか?

神田 全くないです。1回目の明治神宮とニューオータニの披露宴は招待客が777人で、披露宴というか、「感謝祭」と呼んでいて、しっかり準備してやりましたけど。でも私の感覚では披露宴っていう感覚ではなかったですね。披露宴でウエディングドレスのファッションショーもやっているし、大きいファッションショーと盛大なパーティーって感じかな。

 私のドレスが各国支店に置いてあって、海外で挙式をする方々が着てくださったりするんですね。ニューカレドニアとかハワイ、グアムにサイパンとか。それで、私もしょっちゅう海外に行くので、旅行気分で海外に行くならついでに自分のウエディングドレスで式もする?って感じで招待客も基本的にいないです。一緒に旅行に行ったお友達が参加するっていう感じのイベントでした。

 でも娘が生まれると、そんな生活も変わりはじめました。

撮影 佐藤亘/文藝春秋

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2023.07.27(木)
文=松永 怜