ニューヨーク帰りのデヴィ夫人に言われたひと言

――神田さんは仕事でもプライベートでも変わらなかったですか?

神田 ほとんど変わらなかったですね。なんでもズケズケ言うタイプだったので。たぶん、そういうところがケンちゃん(美川憲一)も私のことをすごく好きになってくれて可愛がってくれてると思うんですけど。ケンちゃんは特に大御所だから、皆さん気も遣うと思いますが、私は、お洋服にしても、「ケンちゃんこれ似合わないよ。こっちの方がいいよ」って言うんです。

 ケンちゃんも「うのは正直だから、うのに聞くわ」って色々聞いてきたりして。一緒に旅行に行ったり、本当に仲良くなって、一生の母であり姉でありというような存在ですね。

 

――美川さんに対しても、出会った当初から「ケンちゃん」と呼ばれていたのでしょうか。

神田 ケンちゃんとは私が19歳のときに『なるほど!ザ・ワールド』で出会ったんですけど、話をしていてこの人の感覚好きだなって思いました。その時に美川さんから「ケンちゃんって呼んで」って言われたんですよね。それからずっと「ケンちゃん」です。

――たぶん、芸能界でもそう言える人が少なそうな感じもしますが…?

神田 だからその後、デヴィ夫人がニューヨークから帰ってきたとき、デヴィ夫人とケンちゃんは仲良かったので、私が「ケンちゃん」って呼んでる姿を見て、「あら、こんな若い子が」って思われたようです。夫人はケンちゃんのこと、「美川さん」って呼ぶんですよ。「ケンちゃんって、ちょっとそんなこと言わせちゃダメよ」って。ケンちゃんは「いいのよあんた。私がケンちゃんって呼んでって言ったんだから」って夫人に言ってましたね。

「世界の一流ブランドを見たり着たり持ってたりするから、わかるんです」

――テレビで活躍されながら、ストッキングやウエディングドレスのデザインもされていきました。

神田 デザインをするようになったきっかけは、はじめにグンゼさんのストッキングのコマーシャルを私がやらせてもらったんです。私はそのときのトレンドとか、自分が気に入った服を着ていないと気が済まないタイプの人間だったので、いつもお洒落な恰好をしていたんですね。

2023.07.27(木)
文=松永 怜