おトクを考えるのすら面倒という人であっても、P-oneカード<Standard>で支払ってさえいれば、必ず1%分おトクになる。年間100万円のカード利用があれば1万円分おトクになる計算だ。

自分はどのポイントが使いやすい?知っておきたい「見極め方」

 そもそも、企業を跨いでポイントが貯まる「共通ポイント」として、TSUTAYAの会員証に紐付いたTポイントが誕生したのは、2003年10月のこと。

 その後、2010年3月にローソン系からPontaポイントが登場し、2013年7月にはYahoo!ポイントがTポイントに統合されてソフトバンクグループも加わった。翌2014年10月にオンラインショッピングモールを運営する楽天グループがネットのポイントを実店舗で利用できる楽天ポイントカードを作り、2015年12月にはドコモがdポイントカードをスタートさせた。

 こうして現在の4大共通ポイント(Tポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、dポイント)が誕生したが、実は近年はこの4大共通ポイントの中でTポイントだけがひとり負け状態にあった。

 というのも、後発組である楽天ポイントやdポイントは圧倒的なポイント発行数で加盟店への送客を開始し、TポイントやPontaポイントの加盟店を飲み込んでいった。劣勢になったPontaポイントも、2020年5月にauのポイントと統合し、auの資金力で一気に巻き返しを図っている。

 こうした状況の中で、Tポイントには大量のポイントを発行する原資がなかった。頼みの綱のソフトバンクやヤフーが、2022年4月以降、Tポイントの付与を終了し、グループのPayPayポイントを採用したからだ。

 

 後がないTポイントが新たな提携先として選んだのが、Vポイントだった。2020年6月に誕生した三井住友グループのポイントプログラムで、メガバンク系による新たなポイント経済圏だが、CMなども行っているもののまだ十分な知名度はない。原資のないTポイントと知名度のないVポイント――。両社の弱みを補う提携が新「Vポイント」だったのである。

2023.07.12(水)
文=菊地 崇仁