「雨天決行 全楽章」ってなんやねん!って、たぶん全員思ってた(笑)

小川 ステージに立ってみて、やっぱりライブってすごいなって。10年に1度の大事なライブだけど、別に雨でもいいやって思えたり……いや、絶対晴れたほうがいいんですけど(笑)。すごいつらかったはずなのに、やっぱメンバーと音楽をやれて、みんなに囲まれて観てもらえて本当に幸せだ、楽しいって思えたり。あの1日には、いろんなミラクルとか、かけがえのない音楽体験とか、すべてが詰まってたんじゃないかなと思いますね。

荒井 やっぱり音楽って楽しいな、バンドって楽しいなって思いましたね。sumikaが自分にとって大事だなっていうことをすごく強く感じました。それが今の僕にとっては、とても大事な感情でしたね。

――ライブで印象に残っているシーンはありますか?

小川 僕は、ラストに「雨天決行 全楽章」を3人でセンターステージで向かい合ってやったときですね。ああいう特別な日に、改めてメンバーをちゃんと目視しながら3万3,000人に思いを伝えきることができたっていうのは、すごいうれしかったです。客席も近くて、お客さんの表情がとてもよかったなという印象があります。みんなも感情をぶつけてくれてたというか。

――ラストナンバーとして実際に演奏されたのは最新アルバム「For.」の隠しトラック「雨天決行 -第二楽章-」でしたが、セットリストの曲名は「雨天決行 全楽章」になっていました。このタイトルにはどんな意味合いが?

片岡 1曲目に“第一楽章”として「雨天決行」をやって、最後に「雨天決行 -第二楽章-」をやるという流れで。1日にこの2曲をやることがなかったから、なんと名付けるべきなのかなと考えた結果、全部合わせて「雨天決行 全楽章」としました。説明もなくセットリストに入れたので、「雨天決行 全楽章」ってなんやねん!って、たぶん全員思ってただろうなと(笑)。

小川&荒井 思ってた(笑)。

――1曲目の「雨天決行」では、ステージに置いてある黒田さんのギターと、ステージに立つメンバー3人の姿がスクリーンに4分割で映し出される演出がありました。一方でラストの「雨天決行 全楽章」でスクリーンに映されたのは、片岡さん、小川さん、荒井さんの3人の姿のみ。この演出は、「隼の代わりをやろうとか、そういう気持ちは捨てようと思う」とおっしゃっていた片岡さんのMCともリンクしていましたね。

2023.06.17(土)
文=石橋果奈
撮影=深野未季
スタイリスト=加藤“runpe”将(IN THE FLIGHT inc.)
ヘアメイク=URI