先進国の中で、一人当たりの果物消費量が最低水準と言われている日本。欧米諸国の3分の1程度とも言われているほど低い水準なのだとか。

 四季折々の景色を楽しむように、その月ごとに旬を迎える果物を楽しんでほしい。

 そんな思いを込めて、果物の恵みで私たちの生活を豊かにしてくれる日本橋 千疋屋総本店で提供されている旬のフルーツをご紹介します。

 今回は「ラ・フランス」。秋から冬にかけて旬を迎える西洋梨は芳醇な香りが魅力です。秋の魅力をたくさん詰め込んだ贅沢パフェで召し上がれ。


栽培が難しいラ・フランスは今では日本独自の味わいに

 ラ・フランスはフランス原産の西洋梨の品種のひとつ。ゴツゴツとした無骨な見た目と、追熟の難しさから、かつてはさほど注目されていませんでしたが、追熟技術が確立されたことで大人気に。今では西洋梨といえばラ・フランスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 そんなラ・フランスですが、実は原産国フランスでは栽培の難しさから既に絶滅してしまっているそうで、世界中でも日本でしか栽培されていないのです。

 自宅でラ・フランスを楽しむ時に気をつけたいのは、食べごろの見極め。ラ・フランスは果実の色が変化しない場合が多いので、プロでも見極めが難しい果物なのです。

 見極めるポイントは果物のてっぺん。軸がしおれ、果肉にもシワが寄っているようであれば、食べごろです。後は、やはり“香り”に注目。完熟してくると、ラ・フランス特有の甘い香りが漂います。完熟するまでは常温で保管するようにしましょう。

 完熟したら、冷蔵庫で冷やして召し上がれ。熟したラ・フランスは果汁たっぷりなので、ナイフで半分に割って、スプーンですくいながら食べるのもおすすめです。

2022.11.24(木)
文=CREA編集部
撮影=釜谷洋史