この記事の連載
有吉由妃さん[QPS研究所PRマネージャー]
Q1:最愛の一作
『火の鳥』(手塚治虫/角川文庫)
マイベストを選ぶのはかなり難しいのですが、今までの人生だけでなく、これからの人生においても最愛である、どれだけ歳を重ねていっても、繰り返し読みたくなる、そして読むたびに新しい発見、新しい気づきがあるのはこの作品に違いありません。生きるということはどういうことなのか、「生」を愛や歴史、宗教、政治、科学、社会、いろいろな問題と絡めて私たちに問いかける、そして国や地球ではなく、この宇宙の中にいる自分を意識させられるスケールの大きすぎる世界観を持つマンガです。
Q2:マンガを読むスタイルは?
コロナ禍になる前は紙中心でしたが、なかなか外出ができなかったときに、アプリで読むようになって、今は複数のマンガアプリを駆使して、移動中とバスタイム中に主に楽しんでいます。
Q3:夜ふかしマンガ大賞に推薦した作品とその理由
『トリリオンゲーム』(原作 稲垣理一郎/作画 池上遼一 小学館)
主人公のふたりが起業して、どうやってそこまで成功したのかを見ていくのですが、ワクワクと高揚感に包まれるマンガです。絵とストーリー、両方ではじめの数ページだけでグッと引き込まれる展開で、強い魅力を持つ作品だと思います。原作の稲垣さんの『Dr.STONE』も大好きですが、登場人物の個性が分かりやすく、設定が楽しいです。現実離れしているようで、でも実際にありそうな内容なので、とにかく続きが気になります。
『メダリスト』(つるまいかだ/講談社)
途中でなかなかやめられず、夜寝る前に読むと夜ふかししてしまいそうです。
『あかね噺』(末永裕樹 原作/馬上鷹将 作画 集英社)
将棋や碁、かるたなど、歌舞伎など日本の文化を扱ってヒットしたマンガは数多くありますが、これは落語家のマンガ代表のひとつになるのではないかと予感するような作品です。
Q4:各部門への推薦作品とその理由
●家族部門
『SPY×FAMILY』(遠藤達哉/集英社)
部門関係なく、個人的に好きなマンガでもあります。1巻を読んだときから「これはもう、登場人物も設定も画風も全部好き」と思いました。スパイの父、殺し屋の母、超能力者の娘、と、世界を救う任務のために寄せ集められた仮の家族が、お互いを思いやりながら家族らしくなっていくような展開で、それぞれ本来は重くなりがちな人生の背景があるのに、絵や表情もコメディ的で笑えるところも多く、明るく、楽しい、そしてじーんと胸にくる、間違いなくこれは心温まる、家族とは何かを考えさせられる、家族愛のお話だと思います。主人公の女の子がかわいいです。
有吉由妃(ありよし・ゆき)
QPS研究所PRマネージャー
パリ第3大学ソルボンヌ・ヌーヴェルLEA学部卒業。高校から20代半ばまでパリで過ごし、帰国後はホテル、ファッション、コスメのマーケティングやPRを担当。
2022.12.10(土)
Text=Ritsuko Oshima(Giraffe)