2022年後半のイタリアは、マスクやパンデミック報道はいつの間にかフェイドアウトし、すっかり日常回帰モード。入国時のPCR検査陰性証明提示なども免除され、旅行熱を溜め込んだ欧米の観光客が続々と押し寄せている。
あたかも14世紀のペスト後に、ルネサンス運動がやってきたかの如く再生し続けるフィレンツェ。街全体がヘリテージの古都の底力は未知数だ。
パンデミックを経て、華麗に衣替えした宿泊施設のオープンが続いた。世界屈指の芸術の都でしか味わえない極上ステイを満喫したい。
フィレンツェとトスカーナの極上ステイに、おすすめの宿を6回に渡りご紹介。
エコロジカルな銘醸地でトスカーナの休日を満喫
◆Borgo San Felice(ボルゴ・サン・フェリーチェ)
![マナーハウスを中心に瓦屋根が広がる風情あるボルゴ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/a/1280wm/img_fa0a220bb13c16c450ccd4e2672feca9185572.jpg)
ボルゴとは、古来、豪族や貴族たちの領地や集落を意味する伝統ある呼び名。紀元前に起源を遡るという「ボルゴ・サン・フェリーチェ」は、そんな村全体で快適ステイが楽しめるアルベルゴ・ディフーゾ型の美しいオーベルジュだ。
![エノテカから覗ける大きなバリック室。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/2/1280wm/img_8292d93b6d535bea7c64bf95b991499b88345.jpg)
このあたりはトスカーナ大公の命により18世紀から銘醸地として保護指定された名高きキャンティ・クラシコ地区の心臓部であり、同施設は1,700ヘクタールもの広大な敷地とミシュラン1ツ星レストランも完備する。
![新進気鋭のシェフ、フアン・カミロ・キンテーロ氏とスタッフ。食部門は世界的スターシェフのエンリコ・バルトリーニ氏も監修。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/d/1280wm/img_1dbbf72350ed446c35140e4f7c7b94e7229709.jpg)
ボルゴを復活させたのは44年前から参入したアリアンツ社経営陣の「美観への愛と情熱、地域保護と復興」という、まるでルネサンスのフィレンツェ市民のような経営理念だ。
![品あるトスカーナ・カントリー風の“プレステージ・ルーム”。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/c/1280wm/img_9c8f97ab94d2dd0efbeb3cc73783944798646.jpg)
早くから太陽光パネルやバイオマスなどクリーンエネルギーを導入し、SDGsの一環として2012年からは障害者と高齢者のコラボをサポートする有機菜園も開始するなど、まさにフェリーチェ=幸せな環境のボルゴを作り上げた。
![“自家菜園のサラダ添えタルタル”にはヴェルメンティーノの白を添えて。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/7/1280wm/img_a7df139fadfec69c7faf3cd59461fee0134648.jpg)
蔦のからまる石壁の風情ある館に泊まるもよし、有機ブドウ畑に点在するヴィラで憩うもよし。
![厳選した食材の旨みを引き立たせる技はさすが。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/4/1280wm/img_b4c3cb62af1eb95df79f378538c244a291974.jpg)
ルレ・エ・シャトー・イタリア部会長も務める支配人の目の行き届いたホスピタリティとトスカーナの田園に癒やされること間違いなしだ。
![エノテカにはブルネッロやボルゲリのワイン、オリーブオイルも揃う。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/1280wm/img_43b7d931a006b58e690119a0de50f3a5114520.jpg)
Borgo San Felice(ボルゴ・サン・フェリーチェ)
所在地 Località San Felice, 53019 Castelnuovo Berardenga, Siena, Toscana
電話番号 +39 0577 3964
客室数 60室
料金 1室 560ユーロ~
https://www.borgosanfelice.it/
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2022.11.14(月)
文=大平美智子
撮影=仁木岳彦
CREA Traveller 2022 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。