この記事の連載
パンデミックという大禍を経ても、フランスは底力を見せつけ、さらに輝きを増している。2024年のオリンピックを目前にパリでは、たゆたうセーヌ川、時を刻む美しい街並みをステージに、世界中の人々を待ち受けている。
フランスの美食家ブリア・サヴァランが19世紀の名著『美味礼讃』の中で記したアフォリズムが思い起こされる。
美食を思う存分楽しめる、おすすめのホテルを9回に渡りご紹介。
世界遺産ヴェルサイユに泊まり世界的シェフの美食を味わう
◆Le Grand Contrôle(ル・グラン・コントロール)

ヴェルサイユ宮殿の敷地内、ルイ14世のお抱え建築家マンサールが建造した建物がホテルになった。

小トリアノンの装飾とルイ16世様式を模倣した内装に改修され、たった13室しかない客室はもちろん、すべての部屋には年代物のシャンデリアや調度品が惜しげなく飾られている。
サービススタッフが皆、18世紀の衣装を身にまとっているという驚きもあり、瞬時にして非日常へ引き込まれてしまう。


アラン・デュカス氏監修の1ツ星レストランでのディナーの後は、閉館後の宮殿を訪問するのがおすすめ。
夜の鏡の間など、宿泊客だけに許されたエクスカーションを試してみたい。

Le Grand Contrôle(ル・グラン・コントロール)
所在地 12 R. de l'Indépendance Américaine, 78000 Versailles, FRANCE
電話番号 +33 01.85.36.05.50
客室数 13室
料金 1室 1,600ユーロ~
交通 パリから車で約60分
https://airelles.com/fr/destination/chateau-de-versailles-hotel
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Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2022.11.03(木)
文=伊藤 文
撮影=吉田タイスケ
CREA Traveller 2022 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。