この記事の連載
CREA Traveller 2022 vol.4の特集は、「HOTEL 愛しきあの街のホテルへ」。
ふたたび動き出した世界へ旅に出よう。見慣れたあの街もきっと新しい顔で迎えてくれるから。まずはゆっくりと一流のホスピタリティが約束された“ディスティネーションホテル”の旅でリスタート。
CREA Traveller 2022 vol.4
HOTEL 愛しきあの街のホテルへ
特別定価1,400円
CREA WEBでは、CREA Traveller 2022 vol.4のコンテンツの一部を大公開します!
パンデミックという大禍を経ても、フランスは底力を見せつけ、さらに輝きを増している。2024年のオリンピックを目前にパリでは、たゆたうセーヌ川、時を刻む美しい街並みをステージに、世界中の人々を待ち受けている。
フランスの美食家ブリア・サヴァランが19世紀の名著『美味礼讃』の中で記したアフォリズムが思い起こされる。
美食を思う存分楽しめる、おすすめのホテルを9回に渡りご紹介。
現代クリエイターの美学が集結したパリの邸宅ホテル
◆Cheval Blanc Paris(シュバル・ブラン パリ)
![セーヌ川とポン・ヌフ橋を眼下にしたパリの風景を、到着のおもてなしとともに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/1280wm/img_0366d92ded957c073e5f3fd6ae529f34217297.jpg)
パリ最古の橋ポン・ヌフから、壮麗なセーヌ川右岸の建物を眺める。
![壮麗なセーヌ川右岸の建物を眺める。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/e/1280wm/img_2ebee44ea3e99e32adf893b772853b52141290.jpg)
ここは、創業の1870年から130年余もの間愛されてきた百貨店、旧「ラ・サマリテーヌ」だ。
![ほとんどの客室がセーヌ川に面しており、ポン・ヌフ橋を見下ろすパリの至上の風景がある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/a/1280wm/img_1a9587346fb68fc2196b102bf7f3980895893.jpg)
老朽化のため閉鎖されたが、2001年に傘下に入れたLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)による修復・改装工事を終え、16年もの沈黙を破り昨年、百貨店・オフィス・集合住宅などを兼ねた複合施設として蘇ったのである。
![アール・デコ調の傑作である外観。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/f/1280wm/img_4ff95dd2b209d569b9ec36b0d3b5fe72162328.jpg)
セーヌ川に面する部分は、LVMHが展開するホテル「シュヴァル・ブラン」の5軒目。2021年9月に初の都市型ホテルとして華々しくオープンした。
![階段脇には、イギリス人彫刻家トニー・クラッグ氏の作品が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/d/1280wm/img_edf52d236e08d6ce46fe7dbe1af9a82e83113.jpg)
セーヌ川沿いのエントランスを入ると、巨大なホールのラグジュアリーに圧倒される。
![ミュージアムのようなエントランス。ヴィック・ムニーズ氏によるエッフェル塔を描いた絵画も。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/4/1280wm/img_54c284f64670873b3836286856cf88cc170255.jpg)
高さ6.9メートルの天井、精巧な格子状に嵌め込まれた美しい大理石の床、長さ6メートル、高さ2.5メートルもあるブルーの絵は、フランスの現代美術を代表する画家ジョルジュ・マチュー氏の作品だ。
![セーヌ川に見立てた全長30mのプール。川と同水位に設置し、デジタル作家によるパリの風景を流している。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/e/1280wm/img_8e5bb75de621a26167a858c68854a001160971.jpg)
すべては、LVMH会長兼CEOのベルナール・アルノー氏の芸術に対する情熱のもと、フランスの建築家エドゥアール・フランソワ氏とアメリカのスーパースター、ピーター・マリノ氏に委ねられた。
![至高の“コンフォール(快適さ)”を約束。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/9/1280wm/img_e904548fe4855740b80839eaa3859e23194737.jpg)
前者は1928年にアンリ・ソヴァージュが設計したアール・デコの傑作をリスペクトし、大理石、金箔、鋳鉄などの職人芸を駆使して内装を作り上げ、後者はインテリアのプロデュースを手がけた。
![パリの高級フローリスト「DEBEAULIEU」による癒やしの花。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/1280wm/img_be85388f0cd10f3b6ad68a9380950c16240397.jpg)
唯一無二の家具やオブジェ、エレメントを選び抜き、目の肥えたコレクターのための“パリの邸宅”を生み出したのである。
![シャルロット・ペリアンの家具もさり気なく。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/2/1280wm/img_720974664a89498dad2df67fe2129aa4164890.jpg)
集結したアーティストや職人は600人にのぼるというから驚きだ。
![最上階のレストラン「ル・トゥー パリ」のテラスで朝食を。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/9/1280wm/img_299bd77e8aca7e87cfdea88bbc41197d105523.jpg)
2022.10.15(土)
文=伊藤 文
撮影=吉田タイスケ
CREA Traveller 2022 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。