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さらにサバイバル力アップ! プラスαであると心強い3アイテム

 「衣食住」のアイテムに加えて、備えておきたい3アイテムを紹介。ふだん使っている道具が、アイデアひとつで命を守る防災グッズに変身します。

●広口ボトル

 広口ボトルは水筒としての機能以外に、水を汲んだり、米やパスタなど食品の保存にも便利。目盛付きのタイプは計量もできるので、調理にも使えます。

 また、ナルゲンボトルの場合、耐熱温度が100度なので、お湯を入れれば湯たんぽにもなり、1つあれば何役にも活用できます。

 ここからは応用編で、災害時にも役立つ広口ボトルの活用術を紹介していきましょう。

 広口ボトルは透明で中身が見えるので、貴重品入れにすると機能的です。多少の衝撃では壊れないので、メガネなどの割れものを入れたり、マッチや電子キーなど濡れたら困るものの保管にも適しています。

 避難所や屋外では貴重品の保管場所に困るので、自宅のカギや電子キーなどをまとめておく定位置にすると失くさずに済むでしょう。

 広口ボトルとヘッドライトがあれば、簡単にランタンを作ることも。ボトルにできるだけたっぷり水を入れて、ヘッドライトを内向きにして巻き付けると、光が乱反射して周りを明るく照らしてくれます。

 持ち歩かない場合は、ライトの上にボトルを置いて底から光を当てると、ボトル全体が発光して、より明るくなります。広口ボトルがない場合は、ペットボトルで代用することもできます。

●ザック

 ザックの中にゴミ袋を2重に広げれば簡易タンクに変身。登山用のザックには、肩や腰にベルトがあるので重さを分散でき、一度にたくさんの水を運搬できます。

 手だけでは持てない重い荷物が運べるので、ショルダーベルトを最大限伸ばせば、ザックと背中の間に人を入れて運ぶことも。

 また、シュラフの足元にザックを入れて、両足をすっぽり入れると防寒具にもなります。

●ソーラー充電器

 アウトドアシーンや災害時の電源確保に重宝するソーラー充電器。太陽光を利用して発電できるので、電源がない場所でもスマホやタブレットの充電ができます。

「災害発生時の情報収集や安否確認など、スマホは命を守るための重要なツールです。毎年、日本各地で台風や豪雨による停電が起こっているので、モバイルバッテリーに加えてソーラー充電器も備えておくと何度でも充電できて、気持ちの面でも大きな支えになるでしょう」(寒川さん)

 最近は、アウトドアという観点からさらに進んで、電気やガス、水道などの公共インフラに依存しない「オフグリッド」な生活を目指しているという寒川さん。

 寒川さんが提唱する「新時代の防災術」には、最新の道具やテクノロジーを取り入れながら、自然を壊さず快適に暮らす生き方のヒントが詰まっています。

 「災害に備える力は、オフグリッドな暮らしをすることで自然と身に付くもの。アウトドアが“生きる知恵のひとつ”という意識に変われば、単なるブームではなく、ライフスタイルとして根付くと思っています。

 アウトドアを通じて生きる術を備えた人たちが、避難所から抜けることで、自分より弱い立場の人たちが助かるかもしれない。そういうマインドを持って行動できる人が増えてくれたら嬉しいですね」(寒川さん)

寒川 一(さんがわ・はじめ)

香川県出身。アウトドアライフアドバイザー、アウトドアブランドを展開するUPIのアドバイザー。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。東日本大震災や自身の避難経験を経て、災害時に役立つキャンプ道具の使い方・スキルを教える活動を積極的に行っている。『キャンプ×防災のプロが教える 新時代の防災術』『焚火の作法』など著書多数。

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