町を歩けばきっと出合える、森のようにのびのび育つ植物たち
春から初夏に街路樹の下を歩くのは、とても気持ちがいい。台北は主要幹線道路の真ん中を遊歩道にしている所もあり、歩いてみるとまるで森のようで、すぐそばを走る車の気配すら感じない。
台風シーズンが近づくと、残酷なほど豪快に街路樹の枝が切り落とされるが、遠慮気味に剪定してもすぐにボサボサになってしまい、どうせ台風で根こそぎ倒れる。木を守るにはこれが台湾の正解だ。
週末の花市には、たくさんの人が訪れるが、町なかを見るとやはりボサボサしていて草花をきれいに育てる気はなさそうだ。
ところが、トタン屋根を突き抜いて生える木をよく見れば、屋根の雨漏りも気にせず、木のために穴が大きく開けてある。人間の都合で小ざっぱり整えるより、植物はのびのび育てたいようなのだ。
2022.09.25(日)
文・撮影=青木由香