加入初日に言われたことは……
――チェキッ娘としてデビューしたとき、藤岡さんは16歳。その年代の女の子たちが初対面で集められると、どんな雰囲気になるんでしょうか。
藤岡 入った初日にまず、「髪型かぶってる」って言われました(笑)。「かぶってるから、私、髪切ろうかな」って、先輩メンバーに言われて、「すいません」みたいな(笑)。
でも、だんだん学校の延長線上というか、放課後の部活動みたいなノリになってきて。みんなでワイワイして「イエーイ!」って感じで、ただただ楽しかったですね。
――実際の活動の中で、特に楽しかったなと思うのはどんなところですか。
藤岡 歌ってる時ですね。自分の加入後に最初にリリースされたシングルで、フロントメンバーに選んでいただけて。そこからシングルを出すごとに、いつもフロントで、ソロパートもいただけたので、それは本当に嬉しかったです。番組のコーナーで「結婚か仕事か」みたいな質問が出たときも、迷わず「仕事!」と即答するぐらい、仕事が楽しかったです。
でも、自分はアイドルとしてどうなんだろうと思うところもあって……。例えば「チェキッ娘です!」って紹介されて、カメラを向けられると、みんなは「チェキーッ!」って言って、自分が映ろうと前へ前へと出るんですけど、そこで私はどうしても引いてしまうんです。自分を上手く出し切れなかったなぁ、と……。
「麻美はやる気がないのかと思ってたよ」
――そこでしっかり前に出られる人でないと、アイドルとしては難しい?
藤岡 やっぱり「私が、私が」という気持ちがあった方が有利なんだとは思います。その後、番組が終わることになって、プロデューサーと面談をしたときに、「麻美はやる気がないのかと思ってたよ」って言われました。すかしてるとか、力を抜いてたわけでは全くなかったんですけど、内側の熱いものがなかなか外には見えないというのはありましたね。
――他にも、もっとこうしておけば良かったなと思うことはありますか?
2022.06.01(水)
文=松永 怜
撮影=釜谷洋史/文藝春秋