――最初の事務所では給料が月8万円くらいだったそうですが、新しい事務所では跳ね上がったのですか。

蘭々 移籍する移籍しないで何ヶ月かやりとりをしていた時期があって、その間に最初の事務所が「月20万円にするから残ってほしい」と言ってきたんですね。そうなると、来てほしいという側もそれ以下にはできないじゃないですか。結果、お給料は20万円となりました。今思うとみんな頑張ってくれましたよね。私ごときのために……。感謝ですね。

――そこから破竹の勢いに?

蘭々 そういうわけでもなかったです。そもそも私自身が変わり者であるし、社長は女の子を担当するのが初めてだしで、お互いに探り探りだったと思います。

 

 お互いのことがよくわからないせいなのか、髪型や服装などについてうるさく言われることもありませんでした。

 実は全然流行ってもなく、完全に私がこうしたいだけ、というファッションであっても、「これが流行ってるから、こうしてるの!」みたいなスタンスでいると、結構そのまま受け入れてくれました。内心ではどう思ってたかはわかりませんけど(笑)。 

 そうやって二人三脚でやって1年くらいかな。ある日、突然自宅に博報堂の方から「ローソンのCMに出てくれないないか」って電話が来て。声をかけてくださったのは、前の事務所にいた時に出演したCMでお世話になった方でした。 

おじさんの正体に気づかず…『ポンキッキーズ』の舞台裏

――ローソンのCMに加えて、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ、1991年~1997年)のコント「改造人間カスタムひかる」で演じた若松きらり役、『ポンキッキーズ』(フジテレビ、1993年~2001年)で安室奈美恵さんと組んだユニット「シスターラビッツ」でブレイクしましたね。1993年から1995年にかけては、まさに一気にという感じでした。

蘭々 『ポンキッキーズ』は、学校に行く前に必ず見てて。高泉淳子さんが山田のぼるというキャラクターを演じられていて大ファンだったんですよ。ローソンのCMをやっているなかで、社長に「お前なんかやりたいこととかないのか?」と聞かれたので、『ポンキッキーズ』に出たいと答えて。 

2022.05.18(水)
文=平田裕介