郷土料理こそがイタリア料理の真髄!
イタリア各地方の郷土料理やマンマの工夫料理を研究している齊藤奈津子さんが、家でも簡単に再現出来る本格イタリア料理のレシピをご紹介します。
イタリアの大切な伝統「パスクア」「謝肉祭」って?
「パスクア」。英語でイースター、日本語で復活祭を指します。キリスト教徒の多いイタリアでは、キリストが誕生したクリスマスと同じくらい、復活した日も大切な日として祝われます。
キリストは処刑された3日後に復活したと伝えられていますが、ではその復活を祝う復活祭がいつかというと……太陰暦に従って定められた
「3月21日の春分の日が過ぎた最初の満月の日の次の日曜日」
え、分かりづらすぎる!!
「移動祝日」といって、毎年日付が変わるんです。日本でもイースターエッグなどで少しずつ馴染んできてはいますが、未だにピンとこないのは日付が決まっていないことが理由かもしれません。
ちなみに2022年のパスクアは4月17日。パスクアの翌日の月曜日は「パスクエッタ」と呼ばれ、この日も祝日です。
パスクアはクリスマスと同じくらい重要なので、街中がパスクアの飾り付けであふれます!
クリスマス同様、パスクアもパスクエッタも家族と過ごすのが通例。以前、イタリアのクリスマス菓子「パネットーネ」をご紹介しましたが、パスクアにも欠かせない食べ物がいくつもあります。
ひとつは、鳩の形をかたどった「コロンバ」というドルチェ。
パネットーネ同様に自家製発酵種を使って焼き上げます。大きな違いはレーズンなどが入らないこととその形。「これ……鳩?」といつも思いますが、基本的にはどの店でもこの形です。“膨らむ”ということが豊穣を連想させ、縁起が良いとされているそうです。
そして他にも欠かせないのが「卵・ウサギ・子羊」。日本のおせち料理でいうところの関東の祝い肴三種「黒豆」「数の子」「田作り」的な感じ。
卵は生命の象徴、そして殻を破って誕生(復活)することを意味します。ウサギは多産、豊穣のシンボル。そして子羊はというと、かつては神に捧げられる生贄だったことから、自らが犠牲になったキリストを象徴しているそうです。
後ほどレシピをご紹介するパスクアのお菓子「スカルチェッラ」も、殻付きの卵をクッキー生地で抱き込んでいて「どうやって食べるんだ?」という見た目をしていますが、“殻を破って復活”の意味があるんです。
2022.04.16(土)
文・写真=齊藤奈津子