アメリカ東洋医療の基礎を築いた犬尾先生のクリニック

とても親切なスタッフと看板犬ショパンが迎えてくれる受付

 アラモアナセンターから徒歩10分ほどの山側に、東西に走るサウスキング通り。観光客にもアクセスのいい場所ですが、地元の人が多いエリアで、安くて美味しいレストランがある場所としても知られています。今回ご紹介するイースタン・クリニックもこのエリアで、有名なベトナム料理店バクナムのちょうど向かいの建物、アトラスビルディングの4階にあります。

 ドアを開けると、ぷんと匂う漢方の香り、そして看板犬のショパンが出迎えてくれて、ほのぼのとした雰囲気。まずは受付で血圧を測り、脈診をしてもらいます。こちらの犬尾先生は日本人で、アメリカの鍼灸治療の第一人者でもあるすごい方! 日本、中国、インドでも鍼灸を研究し、1969年に船でハワイに来た当時は、アメリカに鍼灸クリニックがないのはもちろん、鍼灸治療そのものがなかったので、国、州を相手に、鍼灸治療の免許を取れるよう奔走し、現在にいたります。ここ最近のアメリカでの東洋医療が広まっているその基礎を築いた、ものすごい努力の人なのです。

日本、ハワイの各界の著名人から信頼の厚い犬尾先生

 私が今回来院した理由は、冷え性と足のむくみ、そして肩こり。脈診を習得するだけで最低10年かかると言われる奥深い鍼灸の世界。脈を取られながら、症状を伝えようとすると「大丈夫ですよ~、言わなくても分かるから」と。診断は「胃と腎臓が弱いですね。そして、体の中が風邪をひいています。免疫疾患もありそうだから、リウマチにもゆくゆく気をつけないと」とのこと。

 血液検査もX線もやっていないのにそこまで言われ、あっと驚く間もなく部屋に通され、針治療の開始です。にこやかに微笑みながら、先生の親指は一発でツボを探り当て、ぎゅっと押し、とんっと針をさしていきます。もうその一押しの痛いこと痛いこと。「ぎゃっ」と声をあげてしまうほどですが、犬尾先生は「いひひ」と笑っているだけで我関せず。只者ではありません!

<次のページ> 体からすとんっと音がして、まるでギアチェンジしたかのよう?

2013.08.20(火)