毎月のことだから、不調と折り合いをつけてしまう女性たち

 福山先生が警笛を鳴らすのは、生理の不調を自己解決してしまうこと。生理は毎月おとずれるが故に「自分で折り合いをつける方法」を見つけてしまう女性が多いという。

「職場の人に連れられて受診した患者さんで、生理の時は毎回、経血がナプキンから溢れてシーツを汚さないようにと、ベッドにレジャーシートを敷いて寝ているという方がいらっしゃいました。これは経血量としてはかなり多いんですね。検査をしたところ、大きな筋腫が見つかりました。ご本人は“工夫してなんとかなっていたから、人に話すまで気にしていなかった”と」

 たまたま職場で生理の話題になったから受診に繋がったものの、一般的に話題にのぼらない内容であるだけに、そのまま気づかない可能性もある。

「生理時に発生する貧血も“階段は辛いからエスカレーターにしよう”とか“急ぐと息が切れるからゆっくり歩こう”とか、毎月のことなので自分なりに折り合いをつけている方が多いんです。ご本人にとっては当たり前のことでも、病気が隠れている可能性もありますから、何らかの不調を感じたら、ぜひ婦人科を受診して頂けたらと思います」

婦人科を受診する経血量のサインとは?

 とはいえ、自分ではなかなか判断しにくい経血量。どんな時に婦人科を受診すれば良いのだろうか?

「1つはナプキンを変える頻度です。一般的に昼用ナプキンは2~3時間、夜用ナプキンは6~8時間程度の経血が納まるよう設計されているはず。その範囲を越えるなら、多めと考えられます」

 昼間にも夜用ナプキンを頻繁に変えたり、ナプキンとタンポンを併用しても漏れてくるようなら、経血量が多いサイン。また経血がドロッと塊で出てくる場合も、注意が必要という。

「爪の先くらいの塊はよくあるので、心配しなくても大丈夫です。一方で、レバーのような塊が、違和感を覚えるサイズで出てくる場合、経血量が増えているサイン。自分の以前の経血量と比べるのも1つの方法ですね。昔に比べて経血量が増えたと感じたり、生理の日数が長くなった場合、何らかの理由で経血が増えている可能性があります」

 生理が始まる思春期は子宮や卵巣が未熟なため、経血量も変動しやすい。また閉経への過渡期である更年期になると、経血量や生理の日数が少なくなることもある。一方で、ホルモンバランスが安定している20代前半~40代前半くらいの期間に「これまでにないほど経血量が増えている」場合、一度婦人科を受診して。

「検査をして何もなければ、それは安心材料になる。自分では判断しにくく、人とも比べない事柄だけに“ひょっとして?” と思ったら、ぜひ専門医にご相談下さい」

●お話を聞いたのは……

福山千代子 
MET BEAUTY CLINIC院長

日本産科婦人科学会専門医。生理のトラブルや更年期障害など、あらゆる世代の女性の悩みに、20年以上真摯に向き合っている。親身なカウンセリングで、多様化する女性の悩みに合わせ、ホルモン補充療法、漢方薬処方、点滴などさまざまな角度から治療法を提案。

MET BEAUTY CLINIC

東京都港区南青山5丁目11番9号 レキシントン青山2階
電話 0120-776-123
診療時間 10:00~19:00  年中無休(年末年始除く) ※婦人科は水・土休診
https://www.met-beautyclinic.jp/

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2022.03.05(土)
文=宇野ナミコ