2019年4月にTBSを退社後、今年の春でフリーアナウンサー4年目を迎えようとしている宇垣美里さん。2021年12月14日に「週刊文春」の人気連載「宇垣総裁のマンガ党宣言!」を書籍化した『今日もマンガを読んでいる』(文藝春秋)が発売された。

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 いま、宇垣さんはアナウンサーという枠を超え、執筆業だけでなくラジオパーソナリティから女優業までを幅広くこなす多忙な生活を送っている。

 そんな日常で心の支えとなるのは、漫画をはじめとするエンタメ。「人生が楽しい」と、にこやかに、ほがらかに語る宇垣さんの現在地を探った。

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「あとは書くだけなの!!」

――連載の執筆環境について教えてください。普段どんなところで書いていらっしゃるんでしょう?

 書くのは基本、家ですね。いちばん最初はノートにアイデアをバーッと書き出して、それぞれの要素に「この順序で書いたら自分の言いたいこと全部きれいに書けるな」っていう順番を決めて、あとはパソコンで肉付けしていく、という感じです。

――最初に書きたいことの地図を作ってしまう感じですね。

 そうですね。でも肉付けの段階から先に進むのに相当なエネルギーが必要で……。締め切り当日にならないと書き始めないという悪癖があって、そういうときは口癖のように「あとは書くだけなの!!」って言っています。

――原稿を書いている最中に考えていることやマイルールなどはありますか?

 基本的に漫画を読み返してますね。ストーリーの肝はここだな、とか、私はこの作品のこういうところが好きなんだなぁとか、このセリフ良かったな、とかを書き出してます。ノートとペンを右手に、漫画を左手に。

――好きなことを仕事にすると辛くなる、という話も聞きますが、宇垣さんはどうでしょう。

 それが、全くないんです。好きなことを「仕事です」と言い切ることができるのでめちゃくちゃありがたいと思っています。漫画を読むことが仕事だし、小説を読んでいても「あ、これ書評で紹介するんで」って言えるし、映画を観てても「アカデミー賞授賞式の中継番組に出演するので!」って言えるし。

 これがもし趣味だったら仕事に支障が出たとき申し訳ない気持ちになってしまうので、本当に仕事に繋がって良かったです。1日に平均3~4冊の漫画を読んでるので、きっと支障でしかない……。

2022.01.26(水)
文=CREA編集部
撮影=深野未季