2021年に国定公園に指定されたばかりの、霧多布湿原がすごい!

 2021年3月、釧路町、厚岸町、浜中町、標茶町に渡る広大な地域が、「厚岸霧多布昆布森国定公園」に指定された。霧多布湿原はその国定公園の中にある。国内58カ所目、道内では31年ぶり6カ所目だ。

 霧多布湿原に繰り出す前に、まずは「霧多布湿原センター」へ。ここでは、霧多布湿原の歴史や湿原の重要性、生息する動植物などの情報を知ることができる。霧多布湿原にまつわる各種展示や図書室のほかに、湿原を望む喫茶スペースがあって気持ちいい。地元の名産品を購入できる土産物店もある。また、湿原散策やバードウォッチングなど、アウトドアのアクティビティも催行している。

 建物の入り口に敷かれたタイルには、エゾシカ、ヒグマ、タンチョウなど、この地域に生息する生き物たちの実物大の足跡が設えてある。自分の足と比べてみると、彼らの大きさが想像できて楽しい。

 中は吹き抜けの広々としたスペースになっていて、天井から長〜い昆布が吊されている。最も長い昆布は、なんと下で折り返して1往復半している! 浜中町で養殖されているウニは、その一番長い昆布を食べているのだとか。そりゃ、美味しくなるわけだ! 階段には昆布の名前と特徴が。首のストレッチがてら(笑)、天井と床を眺めて実物を見ながら昆布のことを知ることができる。

 そして、奧の視聴覚室で、スライドを見ながら霧多布湿原のお話しを伺う。霧多布湿原は、南北3〜4キロメートル、東西9キロメートル、約3,100ヘクタールで、国内5番目の広さ。花が咲く湿原としては国内最大級だ。「きりたっぷ」とは、アイヌ語で「茅を刈るところ」という意味の「キタフ」に由来する。6〜7月にはエゾカンゾウの黄色い花で覆われ、冬になると、シベリアからオオハクチョウが飛んで来るという。

 霧多布湿原は、今から5,000~6,000年前から形成されはじめた。地層には、巨大地震による津波が繰り返し発生して運ばれてきた海砂の層がある。水が溜まってできた沼地に生えた植物は、枯れた後も低温のため腐りきって分解することがなく積み重なって泥炭となる。それが数千年もの間に堆積して広大な湿原となったのだ。

 1993年にはラムサール条約に登録された。世界で613番目。ラムサール条約は、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地を保存する国際条約だ。2001年には、北海道遺産にも選ばれている。

 湿原のことを知ったところでひと休み。「コープはまなか」へ。目的は特製のソフトクリーム。ハーゲンダッツの原料にもなっている濃厚な牛乳を使ったソフトクリームをいただくことができるのだ。子供とシニアが割引になるのもコープならでは。

霧多布湿原センター

所在地 北海道厚岸郡浜中町四番沢20
電話番号 0153-65-2779
http://www.kiritappu.or.jp/center/

コープはまなか

所在地 北海道厚岸郡浜中町茶内栄65
電話番号 0153-65-4700
https://www.ja-hamanaka.or.jp/coop/

2022.01.06(木)
文・撮影=たかせ藍沙