日本にいることを忘れる
霧多布湿原の絶景に感動！
北海道・浜中町をぐるり旅

TRIP

2022.1.6

『ルパン三世』のイラストと季節の海鮮料理が自慢の旅館

　自然豊かな浜中町には、大型ホテルのような宿泊施設はない。こぢんまりとしていて、温かいおもてなしの旅館やペンションなどがある。

　太平洋に突き出した浜中町の中心部に近い「旅館くりもと」は、明治19年創業の老舗旅館。玄関にある看板には「モンキー・パンチの故郷浜中町へようこそ」の文字。館内の階段に備え付けられた昇降機には、なんと、故モンキー・パンチ氏直筆のサインとイラストが残されている。

ロビーから2階へと続く階段の昇降機に、故モンキー・パンチ氏直筆のイラストとサインがある！

　15室の客室のうち、7室にはベッドがある。ベッドのほかに畳の小上がりがある和洋室も3室。好みの客室を選ぶことができる。海に面した浜中町にあるこの旅館の自慢は、もちろん地元の海鮮をふんだんに使った料理だ。とくに7〜8月は、鮮やかな赤色の花咲ガニを目当てに訪れる人も多いという。

夕食には、浜中産の高級ウニをはじめ、氷頭(鮭の鼻先)のナマスや牡蠣の溜まり焼きなど、地元の海鮮料理がずらりと並ぶ。

浜中産の高級養殖ウニ。2021年は赤潮の被害で漁獲量が激減した、貴重なウニだ。質のいい昆布を食べているので濃厚な旨みが口中に広がる。

　浜中産の養殖ウニは、10年かけて養殖技術を開発したもの。質のいい昆布をたっぷり食べているからこその、濃厚な旨みが特徴だ。2021年は赤潮被害を受けたものの、「旅館くりもと」では、生ウニと、目の前で火を入れる卵とじの、2種類の食べ方を楽しむことができた。高級ウニを卵とじにしてしまうという、なんとも贅沢な料理だ。

　大浴場で温まって、カヌーを漕いだ腕の疲れもすっかり癒やされ、お腹いっぱい海鮮料理をいただいて、夕陽の絶景を思い浮かべながら、幸福感に包まれて夢の中へと落ちていったのだった。

旅館くりもと

所在地　北海道厚岸郡浜中町霧多布東2条1-11
電話番号　0153-62-2615
https://www.ryokankurimoto.com/

【取材協力】
浜中町

所在地　北海道厚岸郡浜中町湯沸445番地
電話番号　0153-62-2111
https://www.townhamanaka.jp/

たかせ藍沙(たかせあいしゃ)

トラベル＆スパジャーナリスト。渡航160回超・70カ国超、スパ取材300軒超、ホテル取材2000軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。主な著書は『ファーストクラスで世界一周』(ブックマン社)、『美食と雑貨と美肌の王国魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、『 LOVE! ROSE 薔薇のチカラでもっとキレイになる！』(宝島社)。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』(ともにPHP研究所)。
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CREA WEB連載「たかせ藍沙のファーストクラスで世界一周」