東京の人間にとって、ねぎしと言えば牛たん、牛たんと言えばねぎし。

 麦めしにとろろをかけて一緒に食べるのが定番ですが、実はこの二つと牛たんの組み合わせを考えたのもねぎしなのです。

 今回はそんな歴史のあるねぎしで、牛たん「じゃない方」を堪能します。

牛たん以外の「お肉メニュー」も充実

 伺ったのは、お茶の水の文字通り駅前にある、ねぎしお茶の水サンクレール店。

 あれ、ねぎしってこんなにお洒落だったっけ?

 と、ちょっとびっくりしてしまう、広々としたカフェのような店内。女性も利用しやすい、明るく開放的なお店です。

 実は牛たん以外のお肉メニューもかなり充実していて、今回は「じゃない方」とはいえ、かなり期待できそう!

まずは豚肉から攻める!

 まずは牛たんどころか、そもそも牛「じゃない方」の豚肉から攻めて行きましょう。

 香味網焼きみそポーク。

 色白な味噌味のポークに、しっかり入った網の焼き目が美味しそう! 使われているのは、こだわりのアンデス高原豚とのこと。

 さらに豚肉をもう1品、豚旨辛焼。

 こちらは対照的に、味がしっかりありそうな濃い目の色合い。ほど良い焦げ目が食欲をそそります。

 香味網焼きみそポークから。

 うん、見た目通り上品な味付けで、これは何枚でも食べられそう!

 豚旨辛焼はピリっと効く唐辛子がアクセント。

 網焼きだから余分な脂が抜けているのか、旨味はしっかりあるのに脂っぽさがなく、軽い口当たりです。

 

麦めしの代わりに……麦酒!?

 それにしても、肉だけ2皿って、あまりにストイックな食べ方だとお思いかもしれませんが、実はこれには訳があるのです!

 みなさん、一番最初の写真に戻って、お店の看板を見直してみてください。

「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」

 と書いてありますよね。

 何を言おうとしているか分かりますか?

 そうです!

 ストイックに「じゃない方道」を極めるこの連載。今回は牛たん「じゃない方」だけではなく、文字通り看板メニューである、牛たん、とろろ、麦めし「じゃない方」だけを頂こうという覚悟なのです。

2021.12.06(月)
文=小宮山雄飛