木々や風、太陽の光、闇、すべてを取り入れ自然を意識せざるを得ない森と山に囲まれた宿。
それぞれのクリエイターたちに新しい休日の寛ぎ方を教わりました。そこには計算し尽くされた贅沢なこだわりがたくさんありました。今回は東京の宿です。
ホテル椿山荘東京
[東京・目白]
目が覚めたら森の中……。都心で感じる朝の幸せ
喧噪とは無縁の場所を求めたら、それは都心にあった……。この1月、「フォーシーズンズホテル椿山荘 東京」と「椿山荘」が一体となってリブランドされた「ホテル椿山荘東京」。これまでの気品はそのままに、バスルームから庭園を望める客室や、空中庭園「セレニティ・ガーデン」を新たに設け、いっそう快適な施設となった。スパや伊東直送の温泉も見逃せないが、古くから「椿山(つばきやま)」と呼ばれてきた自然の森をそのまま生かした庭園を散策するのもまた格別だ。その名の由来である100種類もの椿や季節ごとの彩りに溢れ、その豊かさは都心でありながら蛍も生息するほど。初夏、暗闇に蛍がふわっと淡い光を瞬かせる様は、時空も遠近感も分からなくなるような幻想世界だ。
さらに、この森に囲まれて迎える朝の優雅さ! 凜とした空気に身を包まれ、爽快感とエネルギーが心に満ちていく歓びは、宿泊客のみに与えられる椿の森からの贈り物だ。
<2013年1月リニューアルオープン!>
右:6月中旬まではゲンジボタル、7月中旬まではヘイケボタルが舞う
庭師 岡安晃さん
30年前に初めて訪れ、感動したのがこの都会の森。風や光を通し、肥料や水やりなど手をかけて育てています。遠景も素晴らしいですが、ここ数年、山野草が増えていますので、散策での小さな発見も楽しいと思います。
2013.06.07(金)
text:Giraffe
photographs:Mami Yamada